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ブランドが社会とつながる、持続可能な未来へ  「サステナブル・ブランド ジャパン」 提携メディア:SB.com(Sustainable Brands, PBC)

サステナブル・ブランドの4つのポイント:ネスレ

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ネスレS.A.は1866年にスイスで創業して以来、約150年間も企業活動を続けるサステナブルな企業の代表格だ。日本でも馴染み深いブランド「ネスカフェ」は1938年の発売以降80年に亘って、世界中で飲まれ続けている。その事例を通じて長期に亘って成長を続ける持続可能な企業活動とブランディングの4つのポイントを、同社のゾーン アジア・オセアニア・サハラ以南アフリカ ヘッド オブ コーポレートコミュニケーションのクリス・ホグ氏が明かした。(SB-J編集局)

動画はこちら https://youtu.be/9M5aRM3XTVM

ブランドをサステナブルにする1つ目のポイントは「社会ニーズに応えること」だ。コーヒー豆の価格は1929年頃、生産・供給の過多により価格が暴落していた。結果的に大量にコーヒー豆が余り廃棄されていた。そういった状況の中、ブラジルからの要請を受けて、その余ったコーヒー豆を、その味と香りを保ったまま長期保存可能な、ソリュブル(可溶性)コーヒーを開発した。それが「ネスカフェ」の始まりである。社会のニーズに応えるブランドとは、社会にソリューションを提供するブランドでもある。

2つ目は「消費者との深いつながりを持つブランド」だ。グローバルで展開する大局観を持ちながら、個人やコミュニティに訴求するためには、地域の嗜好や状況に合わせた製品の提供が不可欠だ。グローバル規模の企業であっても各国の消費者の言葉に耳を傾ける。当たり前と言えば当たり前の双方向の関係に、企業として真摯に取り組むことで「深いつながり」を生み出し、人の生活に寄り添うブランディングを実現している。

3つ目は「ブランドが常に変化し続けること」。時代や世代に対して敏感に反応し、ブランド自体も革新し続けることが必要だ。IoTで遠隔地にいる人をつなげる「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ i[アイ]」は現地のニーズをしっかりみつめ「時代に合わせた取組み」をした実例だ。既存のブランド商品にサービスを組み合わせ、社会課題へのソリューションを提供し、新しい価値を生み出している。

そして4つ目のポイントが「パーパス(存在意義)を明確にし、実践すること」ネスレS.A.は創業以来、「生活の質を高め、さらに健康な未来づくりに貢献します」というパーパス(存在意義)を掲げる。消費者に対してのみならず、生産過程や生産者に対しても、大規模な取り組みを通して実践されている。

これらの考え方が渾然となり、上流から下流まであらゆる企業活動に行き渡ることで、サステナブルなブランドの確立に成功しているのだ。4つのポイントは、同社が2007年から提唱する「CSV(共通価値の創造)」にも深く通じている。

ネスレの商品パッケージにある「Good Food, Good Life」のスローガンは単なる看板ではない。消費者や社会との約束を真摯な姿勢で実践し続けることで、ネスレS.A.は過去150年間に渡り成長し、今後も持続可能な成長が見込まれる。そのブランディングに学ぶことは多いだろう。