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帝人、食品部門強化へ――品薄のグラノーラを再発売

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写真=帝人が販売しているスーパー大麦「バーリーマックス」(グラノーラ)

帝人は8月3日、品切れ状態が続いていた同社開発のスーパー大麦「バーリーマックス」(グラノーラ)を再発売した。この製品は同社が培ってきたポリマー解析技術を食分野に転用したもので、一般の大麦に比べて2倍の総食物繊維量を含んでいるという。食物繊維不足の解消など、同社は日本人の健康課題を解決する食品事業を強化していく考えだ。(オルタナ編集部=吉田広子)

オーストラリアでは、肥満対策の一環として、大麦が注目されている。大麦はグルテンをほぼ含まず、醤油や味噌などの調味料、ビールや麦茶、麦飯などの原料になる。日本でもスーパーフードとして見直されている。

クオリティ・オブ・ライフ(QOL/生活の質)の向上を企業理念に掲げる帝人は、「世界的に食品事業に進出する化学メーカーは少なくない。日本人の食物繊維摂取量が減っているといわれるなかで、栄養価の高い『バーリーマックス』を通じて、それらの問題を解決したい。当社は医薬品や在宅医療機器を扱うヘルスケア事業を展開しており、これまで培ってきた技術や専門家とのネットワークが食品事業にも活用できると考えた」(同社広報部の川地隆介さん)という。

「バーリーマックス」は、オーストラリア連邦科学産業研究機構が開発した非遺伝子組み換え大麦。帝人は、同機構が2009年に立ち上げたHG社と、2015年2月に「バーリーマックス」の独占共同開発契約を締結し、共同開発を進めてきた。2016年7月に「スーパー大麦グラノーラ」の試験販売を日本で開始した。

テレビ番組などで紹介されたこともあり、2016年11月には在庫がなくなったという。「Yahoo!検索大賞2016」食品部門賞も受賞した。その後も再発売されるたびに、すぐに完売するという状況が続いている。

帝人が製造・販売する「スーパー大麦グラノーラ」は品薄状態が続いているが、同社が原料を提供する日清シスコの「スーパー大麦グラノーラ」、湖池屋のスーパー大麦ポリンキーなどは店頭でも購入できる。

帝人は「今後も食品素材としてのマーケティング活動などを通して、事業展開を加速していきたい」としている。

吉田 広子 (よしだ・ひろこ)

株式会社オルタナ オルタナ編集部 オルタナ副編集長
大学卒業後、ロータリー財団国際親善奨学生として米国オレゴン大学に1年間留学(ジャーナリズム)。2007年10月に株式会社オルタナに入社、2011年から現職。

「オルタナ」は2007年に創刊したソーシャル・イノベーション・マガジン。主な取材対象は、企業の環境・CSR/CSV活動、第一次産業、自然エネルギー、ESG(環境・社会・ガバナンス)領域、ダイバーシティ、障がい者雇用、LGBTなど。編集長は森 摂(元日本経済新聞ロサンゼルス支局長)。季刊誌を全国の書店で発売するほか、オルタナ・オンライン、オルタナS(若者とソーシャルを結ぶウェブサイト)、CSRtoday(CSR担当者向けCSRサイト)などのウェブサイトを運営。サステナブル・ブランドジャパンのコンテンツ制作を行う。このほかCSR部員塾、CSR検定を運営。