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真のダイバーシティを考える

第19回:小さな会社でもできる週休3日制 (2)

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SB-J コラムニスト・山岡 仁美
Photo: Štefan Štefančík

弊社のような小さな会社でも週休3日制が実現できている大きなカギは、「オフィス=仕事場」という概念を変容させたこと。正確に言えば、オフィスは業務を進める場所という前提を取っ払ったことです。

では、オフィスはどんな場所なのでしょうか。それは、一言でいえば「発展型コミュニケーション・ハブ」です。

発展型のハブですから、ともすると愚痴になりがちな世間話や煮え切らない長時間会議の場ではありません。

コミュニケーションのハブですから、黙々と1人タスクを進める、根を詰めて作業する場でもありません。

ところで、弊社には「ワンダフルポイント」というスタッフ同士が言動・判断・関与などを賞賛し合うことがキャリアアップに連動する仕組みを設けています。例えば、相手への忠告やアドバイス、会議での意味ある反対意見、シェアすべき情報のオープン、権限委譲や協力依頼も「ワンダフルポイント」の対象です。

「ワンダフルポイント」の最大の効果は、スタッフ全員が周囲のスタッフや周辺のタスクに関心を寄せることが増大したことです。それにより、目配り・気配り・コミュニケーションが快活になりました。

週休3日制となると、各人のタスクの進捗や会議の開催はどうするのか。結局は自宅などへの持ち出し仕事で実質的に週休3日ではないのではないか。そういうご意見もお聞きします。

確かに、週休3日且つ残業禁止としているので、タスクの取りこぼしが生じて然りです。しかし、困ったとき、滞ったときの連携が図られ、実際にはタスクが取りこぼされることはごく稀です。それには、「ワンダフルポイント」により生じた目配り・気配り・コミュニケーションが功を成しているのです。

そして、やるべきことやあるべき姿を全員が共有し、なにより生産性が上がる慣習へと進化してきました。

週休3日制の実現は、時短や無駄の削減という観点では難しいでしょう。重要なのは、スタッフ一人ひとりの力を最大限に生かすことです。それが自ずと週休3日制を実現することにつながるのです。

次回は、弊社的会議のあり方と進め方について、ご紹介予定です。

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山岡 仁美
山岡 仁美(やまおか・ひとみ)

グロウス・カンパニー+ 代表取締役
航空会社勤務を経て、人材派遣会社の研修企画担当に。その後、人材育成への意欲から、大手メーカー系列のコンサルティング会社に移り、人材育成に関する開発・販促・広報などのマネジャー職から企業研修部門の統括部長までを務める。1000社ほどのコンサルに携わった後、独立。ビジネスフィールドの豊富なキャリアで様々な人材や組織づくりと関わり続け、自身の出産・育児との両立での管理職・起業などの経験から、多様性を活かす着眼点が持ち味である。 コンサルタント、研修講師、講演と多方面で活躍中。そのテーマは「課題解決」「リーダーシップ」「アサーション」「ネゴシエーション」「キャリアデザイン」「ダイバーシティ」「リスクマネジメント」など幅広い。

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