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ブランドが社会とつながる、持続可能な未来へ  「サステナブル・ブランド ジャパン」 提携メディア:SB.com(Sustainable Life Media, Inc.)

サステナビリティを促進するインフルエンサーは消費者の行動をどう変容させるのか:ユニリーバが英・米・カナダで検証

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ユニリーバはこのほど、サステナビリティに関する情報発信を行うインフルエンサーや行動科学者らと連携して、インフルエンサーの発信内容が消費者のサステナブルな行動・購買決定に与える影響を検証した結果を発表した。企業・ブランドが消費者の行動に良い影響を与えるために、ソーシャルメディアのインフルエンサーの力をどう活用し、最大化できるかを検証したものだ。(翻訳・編集=小松はるか)

検証は、行動科学の応用に取り組んでいる英系の調査機関「BIT(Behavioral Insights Team:行動インサイトチーム)」(英ロンドン)との共同で行われた。BITはインフルエンサーがソーシャルメディアで何をどう発信しているかを検証するために、さまざまな種類のコンテンツを見られる模擬ソーシャルプラットフォームを構築し、英、米、カナダの消費者6000人の行動変容を調査した。

今回の検証で分かったのは、現代において、人々の持続可能なライフスタイルの選択肢に唯一最大の影響を与えるのはインフルエンサーだということだ。回答者のうち78%がそう回答した。一方で、テレビのドキュメンタリー番組と答えた人の割合は48%、ニュース記事は37%、政府のキャンペーンはわずか20%で、インフルエンサーの影響力が他の媒体などを大きく引き離す結果となった。

実際に83%の回答者が、動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」や「Instagram(インスタグラム)」は、家庭でのゴミを減らし、持続可能に暮らすためのアドバイスを探すのに非常に役立っているということに賛同している。持続可能な生活を当たり前にする手助けとなる有益な手段としてソーシャルメディアの重要性を認識しているのだ。これは18〜34歳の若い世代で割合が高く86%に達し、将来世代が持続可能な暮らしをすることがより重要と考えていることが明らかになった。

ユニリーバのチーフデジタル・コマーシャルオフィサーのコニー・ブラームス氏は、「持続可能性への取り組みは、ユニリーバが行う全てのことに組み込まれています。そうした持続可能性の大半は、当社のブランドやわれわれが連携するコンテンツクリエーターが伝えています。消費者から耳にするのは、持続可能な暮らしには継続的で、圧倒的な努力がいるということです。そして、多くの人は『いずれにせよ、私だけが行動を起こしても大した意味はない』と感じています」と説明する。

「マーケティングやサステナビリティ、コミュニケーション、デジタルの専門家チームと共に私たちが目指すのは、当社のブランドが生み出すサステナビリティ関連のコンテンツを学び、改善し続け、そして連携するクリエイターを支援していくことです。一緒になり、どんなものが『良いと思っているけれど行動が伴わないもの』で、どんなものが『サステナブルな選択肢をシンプルかつ好ましいもの』にするのかを学んでいます」

10人のクリエイターと検証を実施

ユニリーバとBITは検証のために、@maxlamanna@going.zero.waste@andyseastcoastkitchenなどインフルエンサーとして活動する英、米、カナダのクリエイター10人と連携。ユニリーバの2大ブランドであるダブ(Dove)とヘルマンズ(Hellmann’s)が、個人のCO2排出量を減らす可能性が最も高い行動である、食料・プラスチックの廃棄物を減らす行動の実践を後押しする30のコンテンツを委託した。

ティックトックとインスタグラムの人口構成に合わせた英、米、カナダの6000人の参加者にコンテンツを見てもらい、自身の行動を変えようとする意思に影響があったかどうかを把握するための一連の質問を行った。2週間後には、2500人が実際の行動に影響があったかどうかを報告した。

検証に使われたコンテンツは、実用的な内容と楽観的な内容の大きく2つに分けられる。例えば、実用的なコンテンツでは、問題行動の規模に重点を置いており、拡張的で広範囲におよぶ結果をもたらすもので、データや統計を大いに活用しているのが特徴だ。楽観的なコンテンツについては、どう持続可能に暮らすのかを実演するもので、個人へのメリットを強調したり、驚きとユーモアのあるトーンで情報を伝える。

結果として、どちらのコンテンツも持続可能な行動をとることを促すのに効果的だということが明らかになった。実際に、回答者の75%がコンテンツを見たことで、プラスチックの節約や再利用、詰め替え用製品の購入、残り物を冷凍保存して再利用するなど、持続可能な行動をとる可能性が高まったと答えた。

実際の行動変容を測定してみると、人々は事実の内容と実践的なアドバイスの両方に価値を感じるということが分かった。実用的なコンテンツを見た人のうち69%がプラスチックや食品の廃棄物を削減するために新たな試みを行ったと回答し、楽観的なコンテンツを見た人の61%が行動に移したと報告した。

企業・ブランドが発信するコンテンツは、個人などが発信するものと同様に、魅力があり、信頼ができ、有益なものと見られている。さらに、検証の参加者はサステナビリティに関する協賛コンテンツを制作するソーシャルメディアのクリエイターたちを支持している。

例えば、回答者の10人中8人(77%)は、フォロワーに環境に配慮した振る舞いを促すクリエイターを支持している。10人中7人(72%)はより持続可能な製品やサービスを販売するクリエイターを支持している。また、プラスチックの再利用に関するダブのコンテンツを見た10人中7人(76%)が行動変容が促されたと回答。同じく、ヘルマンズの食料廃棄物の削減に関するコンテンツを見た10人中8人(82%)も行動変容が促されたと回答した。

BITの最高責任者であるデイビッド・ハルパーン氏は今回の調査を振り返り、「ソーシャルメディアがもたらす行動変容の可能性は明らかです。検証結果は非常に大きなチャンスがあることを示しており、同時に、ソーシャルメディアの影響力・可能性をさらに検証していく上で必要となる豊富な情報を提供しています」と語っている。