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菌類からつくられる代替たんぱく質「マイコプロテイン」に注目

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成長を続ける代替たんぱく質市場で、新たに注目されるのが菌類由来のたんぱく質「マイコプロテイン」だ。米国コロラド州に拠点を置くマイコテクノロジーは、オマーン投資庁と連携し、同国できのこの菌糸体からつくられるたんぱく質の生産を拡大し、食品廃棄物をなくす取り組みを行う。英国クォーン社は、糸状菌フザリウム・ベネナタム由来のたんぱく質を使った代替鶏肉製品を販売し、最近では女優のドリュー・バリモアを起用したアニメーション動画でも注目を集めている。(翻訳=井上美羽)

マイコテクノロジーとオマーン投資庁、マイコプロテイン食品の拡大で連携

オマーン投資庁(OIA)とフードテックイノベーター「マイコテクノロジー(MycoTechnology)」は、オマーン産デーツを使用してきのこ由来の高品質たんぱく質を生産する画期的なジョイントベンチャー「バイタル・フーズ・テクノロジーズ」を設立した。

両者は、オマーンに最先端の生産工場を建設し、栄養価が高く持続可能な新たなたんぱく源を拡大し商業化するために協働する。今回のパートナーシップは、マイコテクノロジー社が独自にもつ発酵プラットフォームが推進する次世代イノベーションであり、きのこの菌糸体を利用して革新的な食材を生み出せる可能性を秘めている。

マイコテクノロジーのアラン・ハンCEOは、「当社はオマーン投資庁と協力して、砂漠の中でこのような革新的なフード・オアシスをつくれることを楽しみにしている」と話す。

「本プロジェクトは、オマーンだけでなく、世界中の地域に食料安全保障をもたらすための画期的な試みです。この取り組みは、中東だけでなく、日本を含む世界中の地域にとって大きな変革になるでしょう。私たちは未来に向けて狩猟を行っているのです。食用きのこが昔から持っている力を引き出し、私たちの足元にあった解決策で、増え続ける世界の人口を養うのです」

オマーン投資庁は同国の政府系ファンドで、国内外資産の管理、投資、開発を委託されている。オマーン投資庁とマイコテクノロジー社の戦略的な協働は、オマーンに最新技術を呼び込むことを目的とした「Oman Vision(オマーン・ビジョン)2040」のもとで実施された。

オマーン投資庁の同国についての知識や公共部門と、マイコテクノロジーの最先端技術があわさることで、この地域の食料供給の現状を変革することを目指している。そして、地元での食料生産を増やすことで持続可能な未来を実現するというオマーン投資庁のコミットメントを反映させるものだ。

オマーン投資庁は、先進的な最新技術をローカライズすることを目的に国際投資を行う。プライベートエクイティ・ディレクターであるイブラヒム・アル・エイスリ氏は、次のように述べている。

「われわれとマイコテクノロジーとのパートナーシップは、未来のたんぱく質を開拓することで、その土地に実質的な利益をもたらすでしょう。これは食料安全保障の強化、オマーン経済の多様化、そして環境に配慮した新分野での高収入の雇用創出というわれわれのミッション達成につながります。このジョイントベンチャーは、オマーンが国内外の食品技術の分野で新たな世代の人材を育成するための基盤となるでしょう」

オマーンは世界でもトップ10に入るデーツの生産国で、年間約40万トンを栽培している。しかし、その半分以上が廃棄されたり、飼料として処理されたりしているのが現状だ。今回新たに設立したバイタル・フーズ・テクノロジーズでは、余った大量のデーツをアップサイクルし、果実に含まれる天然の糖分を原料として、キノコ由来のたんぱく質を生産していく。

新施設は、10ヘクタールの敷地で2023年初頭に着工予定だ。商業生産は2025年の第2四半期までに開始され、年間最大1万6000トンのデーツを加工する。稼働後は、この新施設を中東の食品技術における主要なイノベーション拠点に発展させようと試みている。

ドリュー・バリモアを起用し、アニメでマイコプロテインを解説

マイコプロテインを製造するクォーン(Quorn)は昨年末、女優のドリュー・バリモアと複数年にわたるコラボレーションを開始し、同社初のCMO(チーフ・マム・オフィサー)として迎え入れた。それ以来、クォーンは健康的で環境への負荷が少ないたんぱく質を提供するという自社のミッションを推進。数十年前、今のような流行が訪れるずいぶん前に同社が発明した持続可能なたんぱく質であるマイコプロテインを宣伝しながら、持続可能な食の未来におけるその商品の役割や重要性について消費者に啓発している。

2022年5月、彼らはマイコプロテインについて学ぶアニメーション「Myco(マイコ)101」を公開。この短編アニメは、著名なアニメーターであるジム・テューズ氏が手がけたもので、バリモア教授とチーキン(ChiQin)がアニメのキャラクターとして特別出演している。鶏の姿をしたキャラクター「チーキン」は、クォーンのコマーシャル「ベストフレンズ(Best Friends)」で、バリモアの親友役だ。

「Myco101」のアニメーションは、クォーンの食品に使われている、肉類や大豆を含まない自然食品のスーパープロテインであるマイコプロテインのユニークさや複雑性、その製造方法であるファーメンテーション(発酵)についてわかりやすく説明している。クォーンは、マイコプロテインの唯一無二の味わいと食感により、環境への影響をかなり抑えた持続可能な方法で、肉を食べているような感覚を再現している。

ドリュー・バリモアは、「マイコプロテインの発明者であるクォーンは、食の持続可能性の最前線にいます。これらの短編アニメでは、マイコプロテインの地球環境と健康への驚くべきメリットについて学べると同時に、クォーン社の愉快な精神を本当によく表しています。菌類たんぱく質は次の大きな流れになると私は信じています。住宅資材からテクノロジー、さらにはハイエンドなファッションにいたるまで、菌類由来のたんぱく質はさまざまな素晴らしい方法で使われています」と語る。