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グーグルやネットフリックスなど気候変動対策への投資拡大に向け企業連合を設立 

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アマゾンやグーグル、ネットフリックス、ユニリーバなどはこのほど、気候変動対策への企業投資を拡大することを目的に企業連合「Business Alliance for Scaling Climate Solutions(BASCS)」を設立した。国連環境計画(UNEP)や世界自然保護基金(WWF)なども連携するこの連合は、気候変動対策を加速・改善するための優良事例の共有、資金拠出、リサーチなどを通して、企業と専門家が学び合い、連携して行動を起こしていくためのプラットフォームだ。(サステナブル・ブランド ジャパン編集局)

パリ協定の目標を達成するには、今後10年間にカーボンクレジット(二酸化炭素の排出枠)の購入、フィランソロピー、インパクト投資などの企業による投資をさらに加速する必要がある。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によると、産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑えるには、供給側のエネルギーシステムへの投資を拡大する必要があり、その規模は2016年から2050年の間に年間1.6―3.8兆ドル(約175―416兆円)、平均して約3.5兆ドル(約383兆円)と推定されている。

BASCS は今月3日に誕生し、設立企業にはアマゾン、ディスニー、グーグル、マイクロソフト、ネットフリックス、セールスフォース、ユニリーバ 、ワークデイが名を連ね、環境防衛基金(Environmental Defense Fund)や国連環境計画(United Nations Environment Programme)、WWFの3機関が連携する。事務局を務めるのは非営利のグローバルネットワークBSR(Business for Social Responsibility)だ。気候変動への企業投資拡大による効果は大きい。例えば、自然エネルギーによる気候変動対策は年間1000億ドル(約11兆円)以上の資本流入を生む可能性があり、とりわけ発展途上国に機会が創出されるという。

企業の気候変動対策の加速化については、すでに5月20日、英金融大手HSBCとWRI(世界資源研究所)、WWFが気候変動対策の発展に寄与するイノベーション企業の資金調達の障壁を取り除くことを目指して「気候変動対策パートナーシップ(Climate Solutions Partnership、CSP)」を立ち上げたことを発表している。具体的には、CO2を削減する技術を開発するスタートアップ企業、生物多様性を保全・回復するプロジェクト、アジアにおける再生可能エネルギーへの移行を支援する予定で、HSBCは5年間で1億ドル(約110億円)をフィランソロピー資金として拠出する。

アマゾンのワールドワイド・サステナビリティ担当責任者を務めるカーラ・ハースト氏は「アマゾンは『クライメート・プレッジ(The Climate Pledge)』(アマゾンとグローバル・オプティミズムが立ち上げた、2040年までにネットゼロを目指す誓約)の一環で、2040年までにCO2排出量を実質ゼロにすることを目指している。事業全体の脱炭素化戦略を進めると同時に、炭素を除去し、気候変動に対処するために追加的かつ計測可能な『自然を活用した気候変動対策』への投資に継続して取り組んでいる。低炭素経済への移行を加速するために、業界の垣根を超えてBASCSと連携して取り組みを進めていくことに期待している」と話す。

BASCSは4つの活動の基本原則を掲げている。

・ 排出量の削減:BASCSに参画するメンバー企業は、SBTi(Science Based Targets initiative)など科学的根拠に基づく目標に沿って、自社の排出量を削減する取り組みを優先する一方、インパクトの大きい気候変動対策のための投資を推進していく。メンバー企業は、現状では達成が困難なCO2削減目標を将来的に実現できるよう拡張可能な対策を模索していく。気候変動対策のための資金拠出は、科学的根拠に基づく排出削減の代わりに行うのではなく補完するために行う。

・野心から行動へ:メンバー企業はバリューチェーン全体そしてバリューチェーンを超えて、グローバル規模のCO2排出量の削減、削減への貢献、除去への投資を促進し、深化させていくことに取り組む。

・測定可能なインパクト:メンバー企業は投資の社会・環境的整合性を確保するために、理にかない、検証された方法論を用いることを支持する。カーボンクレジットは追加的で定量可能、検証可能なCO2排出量の削減または除去であり、ダブルカウントされてはならない。

・コベネフィット(相乗便益):メンバー企業は温室効果ガスの排出量削減に取り組むと同時に、環境保全や社会統合、コベネフィットを生み出し、対策の効果を保全する強力なセーフガードを有する投資を支持する。メンバー企業は、可能な限りこうしたコベネフィットを定量化する投資を行っていく。