• 公開日:2020.09.30
マクドナルド、Loopと連携して2021年から再利用カップ提供の試み
  • SUSTAINABLE BRANDS JAPAN

マクドナルドは2021年から英国の一部店舗で、ホットドリンクを再利用可能なカップで提供するトライアルを始める。包装容器の廃棄物を削減する目的で、米テラサイクルの循環型容器再利用サービス「Loop(ループ)」と連携する。再利用可能なカップを希望する顧客は、デポジットを支払って再利用カップを使い、取り扱い店舗に返却すると、デポジットが返金される仕組みだ。返却されたカップは、Loop独自のシステムで洗浄、消毒された後にマクドナルドの店舗で再利用される。(翻訳=梅原洋陽)

マクドナルドのグローバル・サステナビリティ部門長のジェニー・マッカラー氏は、「われわれは、最高の安全基準を維持し、顧客がマクドナルドに求める経験と楽しみを高めながら、同時に、ごみを減らしていく方法を模索している。これにはイノベーションが不可欠であり、Loopの事業モデルはその答えの一つ。世界中のパートナーと連携し、循環型の包装容器の利用を促進し、われわれの事業の中でこの再利用システムがどう機能するのかを試していくことを楽しみにしている」と語っている。

マクドナルドは過去数年間、スターバックスやサーキュラーエコノミー事業への投資を行う「Closed Loop Partners」と連携し、再利用やたい肥化が可能なカップを開発するためのイノベーションチャレンジ「NextGen Cup Challenge」を通して、使い捨ての飲料容器を削減するための解決策を探ってきた。2021年から始まる再利用容器の導入は、新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの企業が安全性の観点から再利用容器を禁止している中、コロナ禍で発生した容器ゴミの削減にもつながるだろう。

コロナ禍でより重視されている「安全性」だが、Loopのシステムはマクドナルドの衛生・安全性の基準を満たしている。Loopが採用する洗浄システムは、米エコラボ(Ecolab)と共同開発したもの。再利用する前に消毒されているため、使い捨て容器と同じレベルの安全性を保ち、衛生的だという。

米テラサイクルとLoopのCEOを務めるトム・ザッキー氏は「マクドナルドとの画期的な取り組みにより、Loopは外食産業に便利な再利用可能容器という選択肢を提供することができるようになる。テイクアウトの際、消費者が再利用可能な容器を使うという選択肢が広がる上で大きな一歩となるパートナーシップだ」と語っている。

SB.com オリジナル記事へ

Related
この記事に関連するニュース

「高度な資源循環」後押しする制度設計を――キリン、サントリーなど8社が政策提言
2025.10.02
  • ニュース
  • #サーキュラーエコノミー
  • #資源循環
  • #プラスチック
環境対応はコスト?価値? カシオ、花王、三井化学、エコマークの挑戦に見る“最適解”
2025.09.30
  • スポンサー記事
Sponsored by 三井化学株式会社
  • #サーキュラーエコノミー
  • #ブランド戦略
  • #資源循環
  • #プラスチック
森林を守る企業が「海」も守る――サラヤ、対馬で海洋ごみ問題に挑む
2025.09.10
  • ニュース
  • #パートナーシップ
  • #イノベーション
  • #資源循環
  • #プラスチック
プラスチック条約交渉、またも合意ならず 打開策はどこに?
2025.08.18
  • ニュース
  • ワールドニュース
  • #サーキュラーエコノミー
  • #資源循環
  • #プラスチック

News
SB JAPAN 新着記事

ESG情報開示を支えるデジタル基盤「UL 360」とは――UL Solutions の織戸香里氏に聞く
2025.10.29
  • インタビュー
  • スポンサー記事
Sponsored by UL Solutions
  • #情報開示
  • #DX/デジタル
  • #サプライチェーン
  • #ガバナンス
再生エネ拡大は、脱炭素と化石燃料の輸入削減を同時に実現する優れモノ
2025.10.28
  • ニュース
  • #再生可能エネルギー
オムロン、製造業の脱炭素支援へ 経営と現場をつなぐ「カーボンニュートラル診断」始動
2025.10.28
  • ニュース
  • #カーボンニュートラル/脱炭素
実力行使で公害を止めた街があった――2025年秋、「高知パルプ生コン事件」が舞台劇に
2025.10.27
  • ニュース
  • #行動変容
  • #生物多様性

Ranking
アクセスランキング

  • TOP
  • ニュース
  • マクドナルド、Loopと連携して2021年から再利用カップ提供の試み