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ブランドが社会とつながる、持続可能な未来へ  「サステナブル・ブランド ジャパン」 提携メディア:SB.com(Sustainable Life Media, Inc.)

クライメイト・ニュートラル認証、90以上のブランドが取得――低炭素化を推進

米サステナブル・ブランド編集局

米NPOクライメイト・ニュートラル(サンフランシスコ)はこのほど、低炭素社会への移行に取り組む90以上のブランドにクライメイト・ニュートラル認証を発行した。同認証は、二酸化炭素の排出量を測定しオフセットを行うほか、気候変動との闘いに向け取り組みを行うブランドに付与される。サステナブル製品の市場で大きな注目を集めるAllbirdsやIcebug、Numi Organic Teaのほかブランド戦略会社thinkPARALLAXなどが認証を取得した。

クライメイト・ニュートラル認証を取得したブランドは、これから認証を取得しようとするブランドの模範となり、社会に対しても、二酸化炭素排出に対するブランドの責任を受け止め行動に移していくことを宣言したことになる。

クライメイト・ニュートラル認証の基準はなんだろうか。すべてのブランドが満たさなければならない3つの条件がある。

● 2019年、商品の製造から納品までに発生した温室効果ガスの排出量を検証可能な方法で測定すること
● すべての排出量をオフセットするためにカーボン・クレジットを購入すること
● 将来的な排出量を削減するための戦略を実行すること

認証の有効期間は1年で、企業は1年ごとに審査を受ける必要がある。認証を取得した企業は、二酸化炭素をオフセットするためにカーボン・クレジットを購入しなければならず、二酸化炭素の排出量1トンごとに手数料が課される仕組みだ。そうすることで、二酸化炭素の排出量を世界規模で削減・隔離するための多額の投資を促すことができる。経済学者らが、気候危機に立ち向かうために必要だと主張するカーボン・プライシング(炭素の価格付け)の実現にもつながる。

クライメイト・ニュートラルの報告書によると、認証を取得した90以上のブランドは2019年、16万1000トンのカーボン・オフセットを達成。炭素を削減または隔離するために8500万円以上が費やされた。クライメイト・ニュートラル認証を取得した企業の総売上高は750億円を超えるという。

NPOクライメイト・ニュートラルのオースティン・ウィットマンCEOは、「認証を取得したブランドは経営が厳しい状況の中でも、二酸化炭素の排出量を減らし、さらにオフセットをするために貴重な資源を投資し、気候変動対策に取り組むことを表明してきた。われわれは、企業が二酸化炭素の排出に責任を負うと宣言するための一つの基準を設けられたことを誇りに思う。そして、先見性があり責任感のある数々のブランドが認証を取得したことをとても嬉しく思う」と語った。

企業の中には、認証を取得するために経験するさまざまなプロセスが、良き学びの機会になっていると考える企業もある。

米アパレルブランドMinistry of Supply(ミニストリー・オブ・サプライ)の共同創業者で代表のギーハン・アマラシリワダナ氏は、「クライメイト・ニュートラル認証を取得するまでのプロセスはチーム全体の教育にもなり、気候変動への取り組みを測定や追跡可能で、説得力のあるものにしてくれる」と語る。同ブランドはマサチューセッツ工科大学の学生だったアマラシリワダナ氏などが立ち上げた。島精機製作所のホールガーメント横編機を使用し、衣服を3Dプリントして製造していることで知られる。

「測定のプロセスは重要な体験。温室効果ガス排出の観点から、持続可能性とは本来どういうものかをわれわれの先入観に問うものだ。素材の選択や製粉工程、出荷方法など、改善のための貴重な機会になった。さまざまな選択肢の違いを測定できれば、低炭素で衣服を製造することができるようになる」

現在、世界中の注目が新型コロナウイルス危機に集まるなか、クライメイト・ニュートラル認証を取得した企業の存在は、世界中の注目が新型コロナウイルス危機に集まる中で、企業が気候変動への取り組みを継続し、進めていく重要性を表すものと言える。

クライメイト・ニュートラルの共同創業者で、太陽光など自然エネルギーを使って使用するアウトドア製品を販売するBioLite(バイオライト)のジョナサン・シダーCEOはこう話している。

「気候危機は、ある意味、私たちが直面しているパンデミックと共通する点がある。新型コロナウイルス危機の初期の頃、多くの人がまるで対岸の火事のように、ためらい、行動に移すことはなかった。しかし今、私たちの誰もが非常に深刻な形で危機の真っただ中にいる。われわれクライメイト・ニュートラルが、ビジネス界を動員して、来るべき気候危機に正面から立ち向かうことができることを願っている」