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食品ロスの解決に挑む米フード・スタートアップ3社

米国サステナブル・ブランド編集局
Image credit: veles

米農務省によると、同国では消費のために生産された食料の約30-40%が廃棄されている。そんな中、廃棄食材から水と有機化合物を抽出し家庭用クリーナーを開発する企業、コーヒー豆のかすを使ったオーガニック野菜のキッチン菜園キットを販売する企業、売れ残った野菜などでペットフードをつくる企業など、米国の食品廃棄物問題の解決に取り組むフード・スタートアップを3社紹介する。(翻訳=梅原洋陽)

廃棄食材から生まれた家庭用クリーナー

Image credit: veles

今年1月に発売されたクリーナー「veles(ヴェレス)」は、食品廃棄問題に未だかつてない新しい方法で取り組む商品だ。ヴェレスは、商業廃棄物となった食材から水と酢酸、乳酸、アルコールなどの有機化合物を抽出してつくった家庭用洗浄剤。新たに資源を使うことなく生み出された製品で、原材料の約97%は廃棄された食材でできている。

多くのクリエイティブな起業家たちのように、velesのCEOで親会社「アムブロシアー(Ambrosia)」(ニューヨーク)の共同設立者でもあるアマンダ・ウィーク氏も食品廃棄物を価値ある資源だと考えている。生物学的、機械的処理を用いて、食品廃棄物から水を生成し、生み出される副産物を価値あるものに変えている。

一般的な洗浄剤の原料の90%は水だ。そのため、もし米国の全家庭が約470ミリリットルの洗浄剤を毎月1本使ったとしたら、年間では6億6000リットル以上の水を使うことになる。Velesのような、廃棄食料から取り出した水などで作られた製品を使えば、250万トンのゴミを削減することも可能だ。これがもし燃やされたとしたら、1年間で150万台の車が排出する温室効果ガスの量に相当するそうだ。さらに、同社のパッケージと梱包材にはリサイクルできる、生分解性の資材が使われている。

廃棄野菜や果物をアップサイクルしてつくるペットフード

Image credit: Shameless Pets

食材のアップサイクルによって食品廃棄や気候変動問題の解決を目指す、米サンフランシスコのフードテック・スタートアップ「トレジャーエイト(Treasure8)」は犬用スナックを販売する「シェイムレス・ペッツ(Shameless Pets)」との連携を発表した。食品ロスになる野菜や果物、ロブスターの殻などをアップサイクルし、栄養価が高いペットフードを開発・販売することで、ペットフードの環境負荷の削減を目指すシェイムレス・ペッツのミッションを後押ししていく考えだ。

トレジャーエイトのデレク・ヘンドリクセン共同CEOは「シェイムレス・ペッツの社員はイノベイティブでクリエイティブな人たちです。まさに情熱とパーパス(存在意義)が合致するというのはこのことです。この資源革命の挑戦において、こうしたパートナーシップが組めることを光栄に思います」と話している。

Image credit: Shameless Pets

ウォルマートでもついにオーガニック野菜のキッチン菜園キット販売へ

Image credit: Back to the Roots

オーガニックの野菜やハーブを育てるキッチン菜園の草分け「バックトゥザルーツ(Back to the Roots)」はこのほど、ウォルマートと新たに提携することを発表した。全米に2300店以上の店舗を持つウォルマートでの販売が決まったことで、全米で教育的要素を備えた屋内菜園体験を提供できることになる。

Image credit: Back to the Roots

カリフォルニア・オークランドのスタートアップが開発したガーデニングキットは、すでに全米に店舗を持つ大手ホームセンターのターゲットやホーム・デポ、食品スーパーのホールフーズなどで販売されている。バックトゥザルーツは、国内で最も成長の速いオーガニック・ガーデニング企業として地位を固めることになるだろう。

同社は10年前に設立された。最初に販売された商品「マッシュルーム栽培キット」は、使用済みのコーヒーの粉を再利用したものだ。多種多様な商品を開発するこのスタートアップは、あらゆる年齢層が栽培して食べるためのキットや石臼挽きオーガニックシリアルを販売し、人と食べものを繋げる役割を果たす。

この企業が現在掲げる「種まきまでさかのぼり、野菜が芽吹き、成長するまでを目で見て、体験し、知ることで、人と食べものを繋ぐ」というミッションは、多様な戦略的パートナーシップによってここ数年で加速度的に広がっている。有名料理家のアイーシャ・カリー氏、ロックバンド「フォール・アウト・ボーイ」、そしてニューヨーク市の公立学校などと提携を結んでいる。さらに、世界最大のオーガニックシリアル企業「ネイチャーズ・パス(Nature’s Path)」との連携により、バックトゥザルーツのシリアルは全米の学食に置かれている。

「小売りに新たなカテゴリーを生み出し、消費者にいままでとは異なる製品との向き合い方を求めるのは難しいこと。多くの努力を適切なパートナーと最適なタイミングで行う必要がある」とオーガニックの野菜や果物を使ったコールドプレスジュースを販売するワンス・アポン・ア・ファーム(Once Upon a Farm)の共同創設者・CEOのジョン・フォーレイカー氏は話す。

「しかし、バックトゥザルーツが挑戦しているように、もし食品ブランドがそれを成功させることができれば、既存の食品消費文化を速いスピードで刷新していくことができます。この新たなガーデニングセットが全米のさまざまな店舗に置かれることで、多くの人に知れ渡り、オーガニックで新鮮な食材を全米の数百万世帯に提供することができるでしょう」