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アップルとティファニー、アラスカのサケ生息地を復元しながら、責任ある金の調達へ

米国サステナブル・ブランド編集部
Credit : Apple

採掘した金を選別した際に残る尾鉱が、サケなどの魚の回遊や産卵を妨げるという問題がある。米アップルとティファニーはこのほど、NGO「RESOLVE」(ワシントンD.C.)と連携し、責任ある金の調達を行いながら、アラスカ州やユーコン準州、ブリティッシュコロンビアのサケなどの生息域の生態系を取り戻すことを目指す「サーモン・ゴールド・プロジェクト」を始めた。 (翻訳=梅原洋陽)

同プロジェクトは、金を選別した際に残る尾鉱によって、これまで影響を受けてきた水路や生息域で行われる。背景には、金の採鉱場所で蓄積されてきた物質が、サケやカワヒメマス(グレイリング)のような魚が回遊したり、産卵するのを妨げてきたことがある。

ユーコン川で最初の金の採掘が始まってから120年がたったいま、このプロジェクトの金は、金属部品の調達を非常に多く行なっている大企業のアップルとティファニーのサプライチェーンに供給されている。

(Credit : D'Esposito RESOLVE)

アップルのサプライヤー部門を率いる、ポーラ・パイアーズ氏は、「再利用素材の使用を増やしていく取り組みの一環として、責任ある金の調達に向けて革新的な方法を探しています。サーモン・ゴールド・プロジェクトにより、地球を守り、エコシステムや魚の生息域を再生しながら、金の調達を責任ある方法で行っていくことは可能なのだと示すことができます。私たちのブロックチェーン技術により、サプライチェーンの中の金がどこから来ているのかを把握できます」という。

まず第1段階として、アラスカを流れるフォーティマイル川の支流のジャック・ウェイド川の一部の回復と再発掘に注力する。RESOLVEは、地元の採掘業者で復元事業家の、ディーン・レース氏とその息子のクリスとダコタ、そして政府機関と取り組みを進めている。復元方法の試験、回収された金の処理、そしてサーモン・ゴールドの採鉱場から製造業者までの、CoCシステム(生産・加工・流通過程の管理システム)を構築している。

「アラスカのこの地域はとても特別な場所です。もし土地を荒らしてしまったら、元通りかそれ以上にして戻すべきだと信じています。サーモン・ゴールドとの取り組みを進める理由は、私たちの金や復元プロジェクトが違いを生み出し、この川でグレイリングを釣ることができるようになると思っているからです」とレース氏はいう。

川の生態系の復元をしながら金を生産することで、責任ある調達を行う必要がある製造業者と小売業者の要望に応えることができる。初期のテスト段階を終えたら、RESOLVEはパートナー団体とサーモン・ゴールドの活動を広げ、魚の生息地の回復をより大きな規模で行うために、この社会事業を自立したものに変えていく予定だ。

RESOLVEの代表のステファン・デスポジート氏は「サーモン・ゴールドは復元事業を担うスタートアップです。地元の採掘者と復元の専門家が、サケやグレイリングの生息域を回復させながら、宝石やテクノロジー企業に金を提供するという取り組みはユニークです。パートナー企業のそれぞれが重要なピースを提供することでサーモン・ゴールドのソリューションを生み出しています」という。

「ティファニーは、重要なエコシステムを守ることに力を入れています。壮大なアラスカの地や、貴重なサケの生息地などは私達が長い間支援してきた場所です。サーモン・ゴールドは責任ある調達活動とアラスカやユーコン、そしてブリティッシュコロンビアの重要な生態系の復元は両立可能だと示しています。さまざまなステークホルダーと協働し、このユニークな取り組みの実行可能性を示し、この成功から多くのことを学べると期待しています」とティファニーのサステナビリティ部門の最高責任者、アニサ・カマドリ・コスタ氏はいう。

サーモン・ゴールドの初期段階の成功を受けて、プロジェクトはフォーティマイル川の次に、カナダのユーコン準州のサルファー・クリーク、アラスカ、タルキートナの北部のゴールド・クリークで実施しようとしている。アラスカ、ユーコン、ブリティッシュコロンビアにある多くの他の川での実施も検討されている。サーモン・ゴールドは今後の数年間は川の復元に取り組み、その後流域レベルを復元することを目指している。

「責任ある金の採掘と、良い川の環境を復元することがユーコン川で可能だということを証明したいです。サルファー・クリークプロジェクトは、カナダにおける最初の試験的取り組みです」とサーモン・ゴールドのパートナー採掘者であるピーター・ライト氏は語った。