サステナブル・ブランド ジャパン | Sustainable Brands Japan のサイトです。ページの先頭です。

サステナブル・ブランド ジャパン | Sustainable Brands Japan のサイト

ブランドが社会とつながる、持続可能な未来へ  「サステナブル・ブランド ジャパン」 提携メディア:SB.com(Sustainable Life Media, Inc.)

サステナブル・ブランドのレベルを測るツール発表

  • Twitter
  • Facebook
Barbara Everdene
ディミター・ヴラホヴ サステナブル・ブランズ コンテンツ開発責任者(左)とアイアン・マウンテンのケビン・ヘイゲンSDG戦略部門部長。バンクーバーで開催されたSB国際会議で | Image credit: Kim Bellavance/Sustainable Brands


6月初旬、カナダ・バンクーバーで行われたサステナブル・ブランド本会議で「サステナブル・ブランズ・ブランド・トランスフォーメーション・ロードマップ」が初公開された。これは、真の「サステナブル・ブランド」を目指す企業向けのフレームワークだ。目標設定の指針であり、進捗状況を測るために用いられる。(翻訳:クローディアー真理)

米国の情報管理企業「アイアン・マウンテン」のケビン・ヘイゲンSDG戦略部門部長、サステナブル・ブランズのディミター・ヴラホヴ コンテンツ開発責任者を中心に、SB諮問委員会の協力のもとつくられた。「SBコーポレート・メンバー・ネットワーク」のメンバー企業のみ利用可能だ。

現在、それぞれの企業はサステナビリティへのアプローチをバラバラに行っている。それを簡単なマトリックス形式を取り入れ、包括的なプロセスを把握。企業が各々に合った計画を練れるよう、診断ツールを作成した。自己評価、継続的改善、目標の優先順位付けも可能。企業形態やサステナビリティへの進捗状況を問わず、どんな企業も利用できる。加えて、サステナビリティ業界で使い方がまちまちな言葉の統一、使用しやすい標準用語の設定も行われている。

サステナブル・ライフ・メディアの創始者、コーアン・スカジニアCEOは「サステナブル・ブランド」を、「現在そして未来の全ステークホルダーをあっと言わせ、喜ばせることができるブランドのこと」と広く定義する。

一方、「ロードマップ」開発上で、サステナブル・ブランドの包括的定義には次の5つの特徴が含まれることが明らかになった。

● 利益追求を超え、環境的・社会的目的を明確に掲げる
● ブランドの影響力を行きわたらせ、システム全体をサステナブルな方向に導く
● 健全かつ回復力があり、繁栄する社会と環境が確保されるよう運営する
● バリューチェーン全体にわたり、サステナブルな結果をもたらす製品やサービスを提供する
● 管理における透明性、一貫性、リーダーシップへの献身努力を行う

企業は、フレームワークで上記5分野での進捗状況を測れる。また「従来型ビジネス」(レベル1)から「サステナブル・ブランド」(レベル5)までの5段階の道筋を提示。レベル5は、「社会・環境・経済資本を生み出したり、回復したりして、ポジティブなエコシステム下で企業活動を行い、利益を上げる」企業と位置付けられる。

ヘイゲン アイアン・マウンテンSDG戦略部門部長と、ディミター・ヴラホヴ サステナブル・ブランズ コンテンツ開発責任者は、「いまだ企業は初期レベルにおり、レベル5に到達した企業はない。むしろ『サステナブル・ブランド』への途上にある企業より、まだ第一歩を踏み出せていない企業の方が多い」と指摘する。

フレームワークを会議参加者は歓迎している。それと同時に、フレームワーク上の「サステナビリティ」の定義とは何か、レベル5で本当に「サステナブル・ブランド」として完了するのか、ほかの同様のアセスメントとの違いは何かといった疑問が挙がった。