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2017年、消費者がブランドに求める4つのこと (2)

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Simon Mainwaring

2017年、消費者がブランドに求める4つのこと (1)はこちら

Image credit: Unilever

消費者の定義する「グッド・ライフ」のあり方は、時代と共に変化している。2017年のいま、あらゆる世代や政治的思想が異なる持ち主でも同じ様にして、重視している4つの「グッド・ライフ」の条件がある。(翻訳:梅原 洋陽)

1.調和のとれたシンプルさ、2.有意義な繋がり、3.独立採算、そして4.個人の目標だ。

すでに、1.と2.についてはこちらで説明したので、今回は3.と4.について説明する。

3. 独立採算:動的でありながらも、いくつかの連続した消費者体験を促す

時代や価値観が変わっても、経済的な自立はグッド・ライフの柱だ。しかし、お金があれば全て解決という訳ではない。

消費者は、充実したシンプルな生活を送るために必要となる収入は望みながらも、贅沢な生活を求めてはいない。これを裏付ける調査データがいくつかある。

78%の人々はお金では幸せを手にすることができないと信じている。52%の回答者は望むもの全てを買うことがグッド・ライフだとは思っておらず、お金をたくさん持っていることがグッド・ライフだと回答したのは33%だった。そして、わずか26%の人は、贅沢なものを購入できることがグッド・ライフを意味すると認識している。

事例:アマゾン

経済的な自立の重要性を本質的に示している会社の一つがアマゾン(Amazon)だ。eコマースの巨人である同社は、ボタン一つで欲しいものを購入できるようにした。有料会員「アマゾンプライム」に入会すれば製品が無料で2―3日のうちに届くようにし、消費者体験とオンライン・ショッピングに革命を起こした。

さらには、アマゾンで売られている製品の半分は第三者の売り手のものである。同社は15%のコミッションを得ながら、グーグルの広告出稿サービス「グーグル・アドワーズ(Google Adwords)」を使い、第三者の業者にメリットを提供しながら、彼らを活用している。

消費者、従業員そして第三者のパートナーがさまざまな方法でお金を生み出し、さらにお金を使ってもらうように促すことは、親近感や忠誠心、購買行動を向上させることにつながる。

4.消費者や従業員が個人の目標を達成する助けになる

従業員や消費者の個人的な目標を達成するための力になれるブランドは、ステイクホルダー自らが企業の良さを発信してくれ、口コミでも好評を得られるだろう。

自社製品を通して、人々がより良く生きられるようにしようとすることは、素晴らしいブランドストーリーを作るための良い方法だ。

事例:ユニリーバ

ユニリーバは個人の目標達成を手助けする企業の一つだ。ユニリーバ・フューチャー・リーダーズ・プログラムは、消費財産業に興味のあるエンジニア専攻の学生と新卒の学生にビジネスの中身を見る機会をもうけている。

有望な学生に学ぶ機会と人生を変えるような経験をさせてあげることで、同社は、従業員にキャリアを高める機会を与えながら、自社の労働力を高め、最高の人材を繋ぎ止め、そして呼び込んでいる。

ブランドや製品、サービスを通して、従業員と消費者の望みを実現させることはグッド・ライフを提供するリーダー企業として名をはせるための強力な方法だ。

覚えておくべきことは、人々がよりシンプルで、有意義な、独立した力強い生活を送る手助けをすることが「グッド・ライフに貢献している」というブランドイメージを確立するために必要だということだ。

さらには、現在最も成功している革新的な企業は、社会の流れをただ追うのではなく、「より良く生きる」ということ自体を定義している。

消費者が何を求めているかを理解し、消費者が自身の価値を具現化する手助けを行いながら、ブランドがどのようにグッド・ライフを実現させられるかを伝えていくことが必要だ。

Simon Mainwaring
米国ブランドコンサルティング・We FirstのCEO。We Firstは、パーパス・ドリブン・ブランディングの先駆者で、成長を加速させ、影響力を高めるパーパス(企業の存在着)の定義づくりや広報活動を手掛けている。