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グローバル企業の「脱ポリスチレン」鮮明に

Libby MacCarthy

山積みにされた発泡ポリスチレン製の梱包箱 Image Credit: David Gilford

環境とCSRを専門とするNPO「アズ・ユー・ソウ」は米国の大企業4社、アマゾン、マクドナルド、ターゲット、ウォルマートを訪問した。「ポリエスチレン(PS)」を包装材に使わないよう、要請するためである。グローバル企業が環境負荷の高いポリスチレンを使用しないよう配慮することは、今や世界的傾向になっている。(編集・翻訳=笈川一)

「脱ポリスチレン」は「アズ・ユー・ソウ」だけの主張ではない。グローバル企業15社の支持を集める「エレン・マッカーサー財団」が出した最新のレポートもやはり脱ポリスチレンを訴えている。

同団体が1月中旬に発表したレポート「The New Plastics Economy — Catalysing Action(新たなプラスチック経済‐触媒作用)」は、ポリスチレン(PS)や発泡ポリスチレン(EPS)、ポリ塩化ビニル(PVC)を商品の包装材に使わないよう提言している。

提言は、プラスチックの使用量を少なくし、毒性を最小限に抑えてリサイクルしやすいものに変える国際基準の設置を主張。コカ・コーラ、ダノン、ダウ・ケミカル、ロレアル、マークス&スペンサー 、マース、 ペプシコ 、P&G、ユニリーバなどのブランドが支持している。

コーヒーカップやテイクアウトの容器、梱包材に使われるポリスチレンはほとんどリサイクルされない。またポイ捨てされやすいため、用水路から海岸に流れ着くゴミになる。

ポリスチレンの梱包材はバラバラに分解すると、鳥やカメ、クジラなどの動物がエサと間違え口にしてしまう。その上、PSの製造に使われるスチレンは「国際がん研究機関」からヒト発がん物質に指定されている。

今年、「アズ・ユー・ソー」はマクドナルド・コーポレーションに株主提案を提出し、同社は米国内でのポリスチレン製のカップを段階的に廃止した。だが、その他の国のマクドナルドはいまだにポリスチレン製のコーヒーカップを使用している。ダンキン・ドーナツもPS製のカップを徐々に減らすことを約束したが、完了はしていない。

「アズ・ユー・ソー」の副代表、コンラッド・マッケロンはこう語る。「私たちの活動によって、2013年にマクドナルドが、米国内のポリスチレン製カップの使用を廃止したことを喜んでいます。ほかの企業にも同じように働きかけ、この問題を解決しなければならないのです」

アマゾンとターゲットにも「脱ポリスチレン」案を提出しており、現在はネット通販事業で、包装材にポリスチレンを使っているウォルマートと交渉中である。この提案書は、続けてPSを使っていると環境にどういう影響があるか評価することを促し、段階的に廃止するスケジュールを組むよう、各企業に求めている。

マッケロン副代表はこうも話す。「多くのグローバル企業の代表がポリスチレンを使わないよう呼びかければ、業界全体に向けて、自社で使っている包装材を考え直してもらう、強力なメッセージになる」

イケアやデルなどの企業は、すでにネット通販事業でポリスチレンを包装材に使うことを廃止しはじめている。昨年、イケアのパッケージング・サステナビリティ・リーダー、ピーター・ラーソンは、発泡ポリスチレンを廃止すると発表し、同時にこう述べた。「なぜ梱包箱の中を、危険な物でいっぱいにする必要があるのだろうか」

「エレン・マッカーサー財団」の報告書は、発泡ポリスチレンは食品の包装によく使用されるが、腐敗した食品と一緒に捨てられることが多く、リサイクルすることは難しいとしている。

プラスチック包装に関する禁止令は、フランス、ガイアナ、ハイチ、ルワンダ、台湾、インド、マレーシアの各国で制定されている。米国では100以上の都市や郡で、使用禁止や制限規定を設けている。