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グーグル、創業以来のCO2排出量「カーボンレガシー」をオフセット 2030年までにカーボンフリー実現へ

サンダー・ピチャイCEO (Image Credit: Google)

グーグルは14日、創業した1998年からカーボンニュートラルを達成した2007年までに排出した「カーボンレガシー(二酸化炭素排出量の遺産)」をすべてオフセットし、ゼロにしたと発表した。さらに、2030年までに世界の事業所やデータセンターなどで使われる電力を、証書などを用いた再生可能エネルギーの利用ではなく、二酸化炭素を排出しない「カーボンフリー」エネルギーに完全に切り替える。サンダー・ピチャイCEOは、この新たな目標達成の過程で「世界のクリーンエネルギーとその関連産業で2万人以上の雇用創出が見込める」と話す。(サステナブル・ブランド ジャパン= 小松遥香)

同社は2007年、世界の大企業に先駆けてカーボンニュートラルを達成し、2017年には電力を100%再生可能エネルギーに切り替えた。いま、世界中で環境や社会を修復し再生するビジネスのあり方が求められる中、グローバル企業として気候変動への取り組みで新たな前例をつくり出し、世界の気候変動への取り組みの水準を引き上げたと言える。

グーグルは、過去の二酸化炭素排出量のオフセットについて「高品質なカーボンオフセット」を購入し、相殺したと説明。今後、カーボンレガシーの適切な形でのオフセットは世界的な大企業であれば当たり前のように求められる可能性もある。

グーグルのように創業時までさかのぼり二酸化炭素の排出量をオフセットする、と宣言している企業がマイクロソフトだ。同社は2013年にカーボンニュートラルを達成。今年1月には、2030年までにカーボン・マイナス(二酸化炭素の吸収量が排出量を上回る)の実現を目指し、2050年までに1975年の創業以来排出してきた二酸化炭素を大気中から除去すると発表した。

2030年までに完全にカーボンフリーへ

ピチャイCEOは、深刻化する気候変動の脅威とサステナビリティへの取り組みについてこう語る。

「数年前、私が育った南インド・チェンナイは壊滅的な洪水被害を受けた。私の人生で何年もの間、極度の干ばつ状態だった同地が洪水に覆われる様子を見て、気候変動の影響をより身近に感じた。また先週、米西海岸では森林火災が猛威をふるい、多くの人がオレンジ色に染まった北カリフォルニアの空を見て目を覚ました。オーストラリアやブラジルでも同じようなことが起き、残念ながら、これからも続くだろう。科学は確かだ。世界は気候変動によってもたらされる最悪の結果を回避するために、(科学的根拠に基づいて)今すぐ行動を起こさなければならない。グーグルはどんな時も挑戦することが人々の役に立ち、状況を良くする方法だと考えている。サステナビリティはグーグルのコアバリューだ」

グーグルは、2030年までに世界の事業所やデータセンターなどすべてにおいて24時間365日、カーボンフリーエネルギーで運営することを目指す。同社はこの挑戦を「現実的にも技術的にも非常に複雑で、これまでで最大のサステナビリティ目標(ムーンショット)」と位置付ける。排出許可証などによって再生可能エネルギーを利用するのではなく、風力発電と太陽光発電を組み合わせたり、バッテリー貯蔵の利用量を増やすなど技術発展によって2030年までに完全なカーボンフリーを実現する方針だ。

まずは、グーグル検索やGmail、YouTubeの視聴などに使われているデータセンターとスタートアップ向けコワーキングプレイス「キャンパス」をカーボンフリーエネルギーを使い運営することに着手する。今後、電力の需要や予測を最適化するためのAI活用などにも取り組み、2025年までに1万2000人の雇用を創出できるだろうと予測する。

ピチャイCEOは「グーグル1社だけで気候変動に取り組めるわけではない」とし、カーボンフリーな世界の実現に向けてさまざまな投資を行う。例えば、2030年までに50億ドル(約5270億円)以上を投じて世界の主要な製造業地域で5ギガワットのカーボンフリーエネルギーの利用を実現し、これにより8000人以上の雇用創出が見込めるという。また500以上の都市で2030年までに年間1ギガトンの二酸化炭素排出量を削減できるよう支援するほか、AIを用いた商業施設などの二酸化炭素の排出量削減、科学的根拠にもとづいた森林再生による大気中の二酸化炭素の除去などに取り組む。そして、Googleマップを使った自転車シェアリングスポットの検索、二酸化炭素の排出量が少ないフライトを選ぶなどの同社の製品・サービスを通じて、2022年までに10億人がより持続可能な暮らしができるように取り組む考えだ。

グーグルは2019年、米国、チリ、欧州で持続可能な再生可能エネルギーの調達を実現するために、史上最大の企業買収を行った。また今年8月には、環境・社会の課題解決に取り組むイニシアティブのために57億5000万ドル(約6060億円)を投資するサステナビリティ・ボンドの発行を発表した。ブルームバーグは、ESG関連の社債発行では最大規模だとしている。