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国際

フライト出張はバイオ燃料で――マイクロソフトなどがKLMと相次ぎ連携

社員の航空機利用をバイオ燃料へシフトする試みが拡大している。米マイクロソフトはKLMが提供する「企業バイオ燃料プログラム」に参加することにより、KLMフライトで出張した際のCO2排出をオフセットしている。これはKLMフライトを利用する企業が自社のフライト利用相当分について、差額分を上乗せして支払うプログラムによりフライトの環境負荷を低減させる仕組みだ。すでにアクセンチュア、アムステルダム市など10社以上がこのプログラムに参加している。需要の拡大を受けて、KLMはバイオ燃料のプラント建設やバイオ燃料の供給拡大を急ぐ。(環境ライター 箕輪弥生)

KLMオランダ航空(以下KLM)は現在ロサンゼルス~アムステルダム間の定期便でバイオ燃料を使用し、今年1月からは廃食油を使ったバイオ燃料をフィンランドのエネルギー会社ネステから購入するなど、バイオ燃料の導入に積極的な取り組みを続けている。

2022年までに、オランダ国内にバイオ燃料を生産・開発するSkyNRGや液化天然(LP)ガス大手SHV Energyと共同で、欧州で初めてバイオ燃料のプラントを建設する。ここでは年間10万トンのバイオ燃料を生産する予定だ。

バイオ燃料の調達と共に同社が力を入れているのが、企業が社員の出張をバイオ燃料にシフトすることができる「企業バイオ燃料プログラム」だ。このプログラムはバイオ燃料の導入拡大のため、企業に自社社員が利用したフライトとの差額分を負担してもらうというもの。従来の化石燃料との3倍近い価格差を企業が負担することによって、企業側はCO2排出をオフセットできる。

昨年からこのプログラムに参加する米国マイクロソフトは、KLMの米国とオランダ間の自社社員によるすべてのフライトで利用するバイオ燃料の費用追加分を負担する。これにより従来の化石燃料と比較してCO2排出量を最大80%削減できる。

KLM社長兼CEOのピーター・エルバースは「バイオ燃料を使用することは、航空業界でCO2排出量を削減する最も効果的な方法の1つであり、『企業バイオ燃料プログラム』に参加する企業の協力により、持続可能な燃料の生産にさらなるはずみがつく」と話す。

フライトから鉄道へのシフトも促進

KLMは昨年「Fly Responsibly-責任ある航行」と名付けた宣言を行い、持続可能な燃料への移行だけでなく、500km以下の路線については鉄道会社と連携し、飛行機以外の移動手段を視野に入れて路線計画を進めるとして注目を集めた。実際に、2020年3月末からアムステルダム―ブリュッセル間に運航される5便のうち、1便を列車へ置き換える。

欧州では二酸化炭素を多く排出する飛行機の不必要な利用を恥じ、なるべく環境に優しい鉄道を多用しようという意識「飛び恥」が生まれ、スウェーデンの国鉄では昨年の春の鉄道利用客が8%拡大している。また出張に限ると鉄道利用は12%増加しており、企業が社員の出張に関する環境負荷に配慮する傾向が顕在化してきている。

箕輪 弥生 (みのわ・やよい)

環境ライター・マーケティングプランナー・NPO法人「そらべあ基金」理事。
東京の下町生まれ、立教大学卒。広告代理店を経てマーケティングプランナーとして独立。その後、持続可能なビジネスや社会の仕組み、生態系への関心がつのり環境分野へシフト。自然エネルギーや循環型ライフスタイルなどを中心に、幅広く環境関連の記事や書籍の執筆、編集を行う。著書に「エネルギーシフトに向けて「節電・省エネの知恵123」「環境生活のススメ」(飛鳥新社)「LOHASで行こう!」(ソニーマガジンズ)ほか。自身も雨水や太陽熱、自然素材を使ったエコハウスに住む。

http://gogreen.hippy.jp/