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アメリカ

米小売各社が相次ぎ、銃持ち込み禁止と法改正を要求

長年、銃規制に揺れてきた米国で3日、小売り最大手ウォルマートが拳銃と殺傷性の高い銃器の弾丸の販売中止を発表。その後、クローガーやウォルグリーン、CVSといった大手スーパーやドラッグストアが相次ぎ銃の持ち込みや見えるように銃を携行する「オープン・キャリー」を止めるよう呼びかけ始めた。米国では8月だけでテキサス州とオハイオ州で銃乱射事件によって38人が亡くなっており、銃規制は今週、1カ月ぶりに再開した米議会でも焦点になる見込み。(サステナブル・ブランド ジャパン=小松遥香)

8月3日、テキサス州エルパソにあるウォルマートで発生した銃乱射事件では48人が撃たれ22人が亡くなった。7月末にはミシシッピ州サウスヘイブンにある同店で、従業員2人が停職処分を受けた元従業員に射殺されている。一連の事件に従業員や顧客は反発し、同社の銃器に関する方針の見直しを求めて約13万筆の署名が集まった。

これを受けて、ウォルマートのダグ・マクミロンCEOは今月3日、「米国をより安全な国にするために何ができるか考えた。同じ過ちを繰り返すわけにはいかない」とし、拳銃や殺傷性の高い銃弾の販売は在庫がなくなり次第終了することを明かした。今後は狩猟や射撃競技に使用される銃や銃弾の販売に重きを置く方針で、現在20%近くある市場シェアは6-9%に下がるという。

同CEOは、客に対して今後、銃器のオープン・キャリーが許可されている州であっても他の人に見えるように銃を携行し入店しないよう要請。同業他社にも、産業自体をより安全なものにするために連携を呼びかけた。そして、政府や連邦議会に対して、殺傷力の高い銃の禁止措置、銃による暴力事件を引き起こす根本的な要因について対策をとるよう求めている。

ウォルマートの発表から1時間後、同じくスーパー大手クローガーは「現状に納得のいかない国民の声が高まっていることを承知している。具体的かつ常識的な銃規制を求める」とし、同店への銃器の持ち込みをしないよう求めた。これに続いて、スーパーチェーンのウェグマンズ、ドラッグストアチェーンのCVSヘルス、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスが銃器のオープン・キャリーに反対する声明を出した。

すでに2013年以降、スターバックスや大手ディスカウントストアのターゲット、レストランチェーンのチポレ、ウェンディーズなどは相次いで同様の声明を出している。

こうした動きは企業のみにとどまらない。サンフランシスコ市議会は4日、銃規制に反対するロビー団体「全米ライフル協会(NRA)」を国内テロ組織に認定。『USA TODAY』は、「米国では銃による暴力で毎日100人が亡くなっている。この国の銃による殺人率は他の先進国の25倍に達する。NRAは銃による暴力について国民に誤解を与え、騙すプロパガンダを広めてきた」という決議文の一部を紹介している。議会は、同市に銃器販売店やNRAと契約を結んでいる企業を調査することで同団体と距離を置き、今後はNRAと仕事をしないよう求めている。さらに他の市や州に対しても連携を呼びかけている。

夏季休暇を終えた米国議会が今週9日から再開した。同国では昨年2月、フロリダ州パークランドの高校で17人が死亡した銃乱射事件をきっかけに、若者を中心に銃規制運動が広がっていた。一連の事件を受け、下院では25年ぶりに銃規制法案が可決されるなど長年に及ぶ銃規制に関する議論は一つの山場を迎えている。銃器購入時の身元確認の厳格化など民主党は銃規制の強化を求めているが、トランプ大統領は「精神疾患や憎悪が引き金を引くのであって、銃そのものが引くわけではない」と発言するなど銃規制に対して積極的ではない。

小松 遥香

Sustainable Brands Japan 編集局デスク。アメリカ、スペインで紛争解決・開発学を学ぶ。「持続可能性とビジネス」をテーマに取材するなか、自らも実践しようと、2018年7月から1年間、出身地・高知の食材をつかった週末食堂「こうち食堂 日日是好日」を東京・西日暮里で開く。趣味は、大相撲観戦と美味しいものを食べること。