• 公開日:2017.07.24
NZスーパー大手が微粒子「マイクロビーズ」製品撤去
    • クローディアー真理

    国際環境NGOグリーンピースによれば、スクラブ製品1回の使用で10万個ものマイクロビーズが海に流れ込むという© “Microplastic” by Oregon State University used under CC BY-SA2.0

    ニュージーランドのスーパー大手フードスタッフ(本社・ウェリントン)はこのほど、洗剤や歯磨き粉などに使われる「マイクロビーズ」を含む製品の取り扱い禁止を発表し、店頭から当該製品を撤去した。マイクロビーズは角質除去や洗浄の目的でスクラブ剤として使われるが、環境、特に海洋汚染源として国際的に問題視されている。同国では2018年に法規制が始まるが、同社は1年先駆けた。(クローディアー真理)

    マイクロビーズを含む製品の撤去が行われたのは、フードスタッフが抱える3つの大型スーパーマーケットチェーン。この決定にあたり、同社と昨年から話し合いを進めてきたサプライヤーの多くは、商品の原材料を自然素材に切り替えるなど、協力的だったという。最終的に、方針にそぐわない製品が取り除かれた。

    政府は、パーソナルケア製品へのマイクロビーズ使用を禁止する法の導入を来年7月1日に予定しているが、同社は環境への影響を憂慮し、極力早く改変を行いたいという意向を持っていた。マイクロビーズは主にポリエチレン製で、スクラブ剤に用いられるのは1ミリ以下のサイズ。下水管から下水処理施設のフィルターなどを通り抜け、海などに達する。その過程で、毒素などを吸収したマイクロビーズは、魚などの海洋生物、海鳥の体内に取り込まれ、害を及ぼす。

    クリス・クィン氏 © Foodstuffs New Zealand

    同社ニュージーランド北島最高経営責任者のクリス・クィン氏は、「運営上、環境への影響を最低限に抑えることは最優先事項であり、今回の決定は正しいと確信している」と述べている。

    スーパーマーケットの1つ、ニューワールドでは10日から、オーガニックスキンケア商品メーカーのエッサーノの協力のもと、「マイクロビーズ・アムネスティ」が行われている。手持ちのマイクロビーズを含む製品を持ち込めば、使用途中であっても、どのブランドであっても、マイクロビーズの代用となる自然素材を使用した、エッサーノのフェイスウォッシュと交換してくれる。

    written by

    クローディアー真理

    ニュージーランド在住ジャーナリスト。環境、ソーシャル・ビジネス/イノベーションや起業を含めたビジネス、教育、テクノロジー、ボランティア、先住民マオリ、LGBTなどが得意かつ主な執筆分野。日本では約8年間にわたり、編集者として多くの海外取材をこなす。1998年にニュージーランドに移住。以後、地元日本語誌2誌の編集・制作などの職務を経て、現在に至る。Global Press所属。

    News
    SB JAPAN 新着記事

    超高齢化社会のその先へ ウェルビーイングなまちづくりにつながる医療、介護とは
    2025.07.11
    • ニュース
    • #ウェルビーイング
    • #まちづくり
    • #行動変容
    【編集局コラム】等身大の私たちがサステナビリティを考える連載を始めます! 
    2025.07.11
    • コラム
      未来へつながるワカメの可能性。世界のおいしい栄養源に、そして徳島の海を育む循環型一次産業構築へ
      2025.07.10
      • スポンサー記事
      • #地方創生
      • #生物多様性
      経営とESGの融合――「ジレンマ」を乗り越える戦略とは 
      2025.07.09
      • ニュース
      • #情報開示
      • #ESG投資
      • #人的資本経営
      • #ガバナンス

      Ranking
      アクセスランキング

      • TOP
      • ニュース
      • NZスーパー大手が微粒子「マイクロビーズ」製品撤去