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2030年までに全注文を持続可能な容器包装に――ウーバーイーツジャパンが使い捨てプラ廃止へ定義明確化

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ウーバーイーツジャパン(Uber Eats Japan)はこのほど、サステナブルな容器包装の調達基準を定めたガイドラインを、加盟店舗向けに初めて発表した。ウーバーイーツは世界中の全注文において、2030 年までに、新品素材を用いた使い捨てプラスチックによる容器包装を、100%持続可能性に配慮した容器包装に転換する目標を掲げる。中でも、日本を含むアジア太平洋地域と、英国・欧州地域では先行して2025年までに80%を転換することを目標としており、そこに向かう第一歩として定義を明確化したものだ。(廣末智子)

ウーバーイーツは、注文者と加盟店舗、配達パートナーの3者をリアルタイムでマッチングし、調理された料理から食料品、日用品、医薬品、家電製品に至るまで、さまざまな注文品を即時に配達するオンラインデリバリーサービス。2015年にカナダのトロントで始まり、世界1万1000以上の都市に広がっている。日本では2016年から食料品のサービスを行い、現在、全国47都道府県で10万店以上の加盟店と、約10万人の配達パートナーが登録している。

ガイドラインは、ウーバーイーツの米国本社が、WWF(世界自然保護基金)と、米国のインパクト投資ファンド運用会社のクローズド・ループ・パートナーズ(Closed Loop Partners)の監修で作成したグローバル指針をもとに、ウーバーイーツジャパンが、WWFジャパンの監修を受け、日本の法規制や認証制度、供給実態などを踏まえて作成した。

基本原則はリデュース・リユース・リサイクルの「3R」で、まずは前提として、「必ずしも必要のないものの使用を取りやめる、減らす」を掲げる。その上で、「使い捨てから、リユースに切り替える」「再生素材、かつ使用後にリサイクル可能な素材を使用し、自主回収と再生利用を促進する」の2項目について詳細な基準を定めた。

まずリユース容器については、「複数回の使用に耐える設計の容器包装等を、適切に回収・洗浄・再使用することができる仕組みが構築された環境」での使用を推奨し、これを満たし得るものとして、エコマークの認定製品、あるいはそれに準じる製品の使用を挙げている。

次に、新品素材を用いた使い捨てプラスチックの代替素材については、前提として、有害性やリサイクルを阻害する懸念から、安全性を評価した物質のみを使用可能とする厚労省のポジティブリスト制度に従い、国際的に規制が検討されているPFAS(ピーファス、人工的に作られた有機フッ素化合物の総称)全般について使用を避けることを強く推奨。適切な工程を通してリサイクルされた再生プラスチックを一定割合使用した容器包装等か、あるいは、リサイクルできるプラスチックを用いることを求めている。

前者のリサイクル手法については、「マテリアルリサイクルを優先し、ケミカルリサイクルについてはエネルギー使用量等の環境負荷を増大させないことを前提に補完的に用いること」などを、後者については、リサイクルしやすいように製品本体にポリマーの種類表示がなされ、「紙や木など、プラスチック以外の材料を組み合わせた製品では容易に分離・分別できる工夫がなされていること」などを条件として示した。

日本の現状踏まえ、時限的な推奨事項も

また木材や植物由来のバイオマス素材については、その原料生産のために不適切な伐採や土地転換が行われ、貴重な自然生態系の破壊や劣化につながったり、その土地が本来有していたCO2の吸収能力が低下したりしていないかを確認することを強く推奨。素材ごとに持続可能性を担保する有効な認証制度として、木材由来製品はFSC森林認証制度を、サトウキビの搾りかすや竹、アシなどの植物を原料とする製品は、持続可能なバイオ燃料生産であることを保証するRSB認証制度などを紹介。ただし、現時点での日本のバイオマス素材を巡る状況を踏まえ、「本来はこれらの認証を取得した容器包装が使用されるべきだが、時限的に推奨事項とし、将来的には必須要件とする」としている。

ウーバーイーツジャパンは、加盟店舗向けにこうしたガイドラインに準拠する容器包装を販売する公式ポータルサイトを、2023年に伊藤忠商事などと共にオープンしているが、ウーバーイーツジャパンによると、このサイトはあくまで「どこでどのような商材を購入して良いか分からないという加盟店舗の声を受けて作ったもの」で、同サイトからの調達を条件とするものではないという。

全体としてガイドラインは、「現状日本では、汚れの激しい食品容器を、適切に回収・洗浄しリサイクルする体制が整っているとは必ずしも言えない」と強調し、その現状を鑑みた上でリサイクル可能なプラスチックを率先して使用することを推奨する内容になっている。そこにはあくまでこのガイドラインを第一歩として、持続可能性に配慮した容器包装への転換を進めていこうとするウーバーイーツのリーダーシップが感じられる。

これに対して、ウーバーイーツジャパン代表の中川晋太郎氏は「日本国内のオンラインデリバリー業界をリードするプラットフォームとして、デリバリーやテイクアウトに用いられる容器包装のサステナブルシフトをけん引する役割を果たしていきたい。このガイドラインが、外食産業におけるより持続可能な容器への切り替えや、リサイクル促進の後押しになれば」と話している。

なおウーバーイーツは世界中の全注文において、2030年までに使い捨てプラスチックによる容器包装を、100%持続可能性に配慮した容器包装に、日本を含むアジア太平洋地域と、英国・欧州地域では、先行して2025年までに80%を転換することを目標としているが、2024年の現時点で何%まで達成できているかについては、公表していない。

廣末智子(ひろすえ・ともこ)

地方紙の記者として21年間、地域の生活に根差した取材活動を行う。2011年に退職し、フリーに。サステナビリティを通して、さまざまな現場の当事者の思いを発信中。