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日本コカ・コーラ、旗艦製品で100%リサイクルのペットボトル採用

日本コカ・コーラは5月31日から、旗艦ブランドである「コカ・コーラ」や「ジョージア ジャパン クラフトマン」などの全製品にリサイクルペット素材を100%使用したペットボトルを採用する。これにより現在、全体で28%(2020年実績)の使用済みペットボトルを新たにペットボトルへと再生する「ボトルtoボトル」の水平リサイクル率=リサイクルペット樹脂使用率=を2022年には50%にまで高める。2030年には全商品のペットボトルをリサイクル樹脂90%、植物由来樹脂10%を使用したサステナブル素材に切り替える方針。2019年から段階的に進めてきた「ボトルtoボトル」の取り組みを旗艦製品にまで拡大することで、業界のペットボトル完全循環実現に向けた動きをけん引し、ペットボトルのリサイクルに対する消費者意識の向上を図るのが狙いだ。(廣末智子)

対象となる製品は、「コカ・コーラ」と「コカ・コーラ ゼロシュガー」「コカ・コーラ ゼロカフェイン」の各350ml、500ml、700ml入りペットボトルや、「ジョージア ジャパン クラフトマン ブラック」「ジョージア ジャパン クラフトマン カフェラテ」「ジョージア ジャパン クラフトマン 微糖」の各500ml入りペットボトルなど。これらを従来の一般的なペットボトルから100%リサイクルペットボトルへと切り替えることで、1本当たり約60%、また日本コカ・コーラと全国5社のボトリング会社で構成するコカ・コーラシステム全体で年間約3万5000トンの二酸化炭素(CO2)排出量を、さらに石油由来原料から作られる新たなプラスチックを約3万トン削減できる見込みという(対象製品合計の前年出荷実績に基づく)。

日本のコカ・コーラシステムは「World Without Waste(廃棄物ゼロ社会)」の実現を目指すグローバルビジョンに基づき2018年1月に発表した「容器の2030年ビジョン」を2019年7月に更新。この中で、「設計」(2022年までにリサイクルペット樹脂の使用率50%以上を達成し、2030年には「ボトルtoボトル」の割合を90%とするなど)、「回収」(2030年までに国内で販売した自社製品と同等量のペットボトルを回収する)、「パートナー」(政府や自治体、飲料業界、地域社会と協働し、より着実な容器回収・リサイクルスキームの構築と維持に取り組む)の3つを柱とする目標を掲げ、そのロードマップに沿ってペットボトルのリサイクルを進めている。

全商品に「リサイクルしてね」のロゴ表示 消費者への啓発強化

100%リサイクルペットボトルについては、2019年にセブン&アイ・ホールディングスとの共同企画商品を開発し、同社の流通グループで販売。また、2020年には「い・ろ・は・す 天然水」と「い・ろ・は・す 天然水ラベルレス」の容器に採用した。また今年2月下旬からは、すべてのリサイクル可能な製品のパッケージに、コカ・コーラ社共通の「リサイクルしてね」と書かれたロゴを表示し、消費者に飲み終わったペットボトルの回収を呼び掛けるとともに、特にリサイクルペット樹脂を100%使用した容器のラベルには「100%リサイクルぺット」の表示を併記することで、消費者が店頭で環境負荷の低い製品を選びやすいよう、「ボトルtoボトル」の普及に向けた啓発に力を入れている。

これらの計画や方針は5月13日に行われた「サステナビリティ戦略発表会」で示され、同社のホルヘ・ガルドゥニョ社長は、全体で28%という現在のリサイクルペット樹脂使用率について、「日本のコカ・コーラシステムがサステナビリティ実現のためのイノベーションを常にけん引してきた結果の数字であり、追随を許していない」と強調。さらに、ボトルtoボトルの取り組みにおけるパートナーとは、「顧客、政府、同業他社であり、いちばん大事なのは消費者だ」とした上で、今回の旗艦製品への100%リサイクルペットボトルの拡大が、「廃棄物ゼロ社会実現への歩みをさらに加速させるものであると確信している」などと話した。

飲料業界は「2030年ボトルtoボトル50%宣言」

「ペットボトルリサイクル推進協議会」の調べによると、2019年の日本のペットボトル回収率は93%、リサイクル率は85.8%と、欧州(57.5%、39.6%)や米国(27.9%、20.3%)と比べても高水準にある。もっともその多くは衣服やトレーなどに再生され、ボトルtoボトルの割合は12%にとどまっていることから、その割合を高めることは、業界の最重点課題とされてきた。これを踏まえ、一般社団法人「全国清涼飲料連合会」は4月19日、「現状の技術と経済性に基づいた上で、2030年までにボトルtoボトルの割合を50%にする」と宣言。「将来的には、マテリアルリサイクル技術の進歩と、ケミカルリサイクルの確立を通じてより高いボトルtoボトル比率を目指すとともに、植物・生物由来の素材開発などにより、地上の資源を最大活用してペットボトルを再生・創造する『サーキュラー(循環)&エコロジカル(共生)・エコノミー』において、世界のトップランナーを目指す」とする声明を発表している。

廣末智子(ひろすえ・ともこ)

地方紙の記者として21年間、地域の生活に根差した取材活動を行う。2011年に退職し、フリーに。サステナビリティを通して、さまざまな現場の当事者の思いを発信中。