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ブランドが社会とつながる、持続可能な未来へ  「サステナブル・ブランド ジャパン」 提携メディア:SB.com(Sustainable Life Media, Inc.)

危機からの健全な復興と再生「リジェネレーション」が世界で始まる――コーアン・スカジニア

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サステナブル・ブランド国際会議2021横浜が2月24・25日にパシフィコ横浜会場とオンラインで開催され、のべ4100人が参加した。米カリフォルニア州で2006年に誕生したコミュニティ「サステナブル・ブランド」が日本に上陸したのは2016年。学びと共創の場として、世界10カ国以上で行われている「サステナブル・ブランド国際会議」の国内開催は今回で5回目となった。サステナブル・ブランドの創設者コーアン・スカジニアが開催に寄せた挨拶を抜粋して紹介する。

サステナブル・ブランド国際会議2021横浜にご参加のみなさま、パシフィコ横浜会場そしてアジア全域、世界中からオンラインでご参加のみなさまを温かくお迎えしたいと思います。

私が日本のサステナブル・ブランド国際会議に参加できないのは今回が初めてのことです。日本でみなさまにお会いしたかったので残念でなりません。新型コロナウイルス感染症との闘いの最前線にいる方々に深く感謝し、来年、みなさまとご一緒できることを心待ちにしております。

昨年2月、横浜で開催されたサステナブル・ブランド国際会議には2日間でのべ3000人以上が来場し、成功を収めました。しかし時を同じくして、新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威をふるい始め、2020年度は世界各国で会議の開催を見送らざるを得ませんでした。今回、こうして横浜の会場とオンラインでハイブリッド開催できるのは、日本チームの不屈の決意と努力によるものです。

そして、この重要な学びのプラットフォームを支援してくださった協賛企業、協力企業・団体のみなさまに深くお礼申し上げます。(今回初めて、タイ、マレーシア、韓国との合同カンファレンス「SB Asia Pacific」を開催しておりますが、)みなさまのご支援がなければ、日本とアジア諸国にまたがる学びと共創の機会をつくることはできなかったでしょう。

この1年間で世界が経験した困難の大きさやその影響はみなさまにとっても忘れられないものとなり、パンデミックの影響がなかったという人はいないでしょう。家族や友人の中に、仕事や事業、これまでの生活を失ったという人もいると思います。世界中で経済の形が永久に変わろうとしています。一部には成長している企業もありますが、産業界全体が打撃を受け、悲しみや不公平さを実感する世界的経済危機に陥っています。

気候変動は、世界のさまざまな場所で記録的な暑さや寒さ、壊滅的な氷雨を伴う暴風、火災、洪水、土砂崩れ、ハリケーンを引き起こし、多くの死や壊滅的被害をもたらしています。こうした混乱はパンデミックによる混乱と相まって、環境破壊と社会的不公平につながりがあることを浮き彫りにしています。そして、人種や社会経済的状況による混乱で、不公平に影響を受けた人々の変化を求める叫びはより一層大きくなっています。

しかし、サステナブル・ブランドはより良い未来のために戦うことを決意するみなさんのような方々のおかげで、暗闇の中にあっても希望を持ち続けています。

2020年1月から11月までの間に、世界の投資信託やETF(上場投資信託)の投資家は持続可能なアセット(資産)に約2880億ドル(約30兆円)を投資し、2019年の投資額よりも96%増加しています。2020年は、日本やEU、中国、韓国が二酸化炭素の排出量を実質ゼロにするという歴史的な宣言を行いました。そして米国がパリ協定に復帰し、世界の排出量の60%を占める127の政府がCO2排出量のネットゼロを実現することを考え、すでに公約を実行しています。

世界中で、多くの企業ブランドがパーパス(存在意義)を掲げイノベーションを巻き起こし、危機に直面する世界のニーズに応えるための挑戦に踏み出しています。現在、60カ国の1000社を超える企業が科学的根拠に基づくCO2排出量削減目標を設定し、ネットゼロの未来を目指しています。

新型コロナウイルス感染症が世界に蔓延した昨年の夏、米国のサステナブル・ブランドは「リーダーシップ・サミット」をオンラインで開催しました。参加者の47%は、新型コロナウイルス感染症に直面し、さらに野心的な目標を設定し、環境や社会の利益になるイノベーションに投資をしていくつもりだと答え、35%はそうした投資を安定的に維持していく予定だと語りました。壊滅的な打撃を受けたマーケットの参加者だけは、投資を維持していく上での課題をしぶしぶ認めています。

今年2月初め、米英の消費者ブランドのマーケター500人を対象にした調査が発表されました。91%がパンデミックや社会不安を背景に、昨年から始めたブランドの信頼構築のための努力を継続していく意向があることが分かりました。調査対象となったブランドの47%が2020年、人種的不平等に対して声明を出し立ち上がっています。57%が政治的立場に立つことはブランドにとって倫理的なことだと認めています。さらに、すべての人々の健康やウェルネスに関わる問題である場合、ますます多くのブランドが立場を明確にするようになっています。

ユニリーバのチーフ・グロース・オペレーション・オフィサーのデボラ・コヤマ氏は、最近のインタビューで、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、パーパス・ドリブン・ブランドへの消費者の関心が加速しているとの見解を示しています。

私たちは、伝統的に課題を抱えるいくつかのブランドが創造的自己破壊という非常に困難な取り組みを行う姿を目の当たりにしています。例えば、消費者の健康に害があるとされる収益性のある商品から、事業のコア・コンピタンスを活用した社会的価値のあるものへと移行することで、創造的自己破壊を行っています。私たちサステナブル・ブランドは、他社に事業の一部を売却するような従来型のポートフォリオマネジメントではなく、自らが育んできた人材や、発達させてきたインフラ、テクノロジーを活用するという新しく健全な方法によって、創造的自己破壊を行う企業を心から尊敬します。そうして、さらなる社会的価値を提供することで、雇用を守り、売上高を上げる新たな道を示すことができるのです。

サステナブル・ブランドが2021年に目指すのは、このコミュニティがコロナ禍、そしてそれを乗り越える中で、気候危機や関連する環境破壊、社会の崩壊に対応するために一丸となって前進していけるよう導いていくことです。どんなことがいま起きているのかを探り、リジェネラティブ(再生可能)な未来を構築するためのシステム・シフトをもたらす実行可能な解決策を明らかにし、みなさまがその策を講じられるように努めていきます。

やらなければならないことはたくさんありますが、新しく健全な成長がこの危機の中から生まれてくるはずです。グローバル経済を維持するために日々頼っている自然資源を回復し、補っていくことに力を注ぐ時が来ました。今こそ一致団結し、公正で公平、そして回復力のあるレジリエントな社会を日本、そして世界で育む時です。

思考をアップデートし続け、地球上のすべての子どもたちに健全な未来を約束する、豊かな未来を共に創っていきましょう。リジェネラティブな未来へと移行する一助となり、世界を日々変えているみなさまそれぞれに敬意と感謝の意を表します。私もそして世界中のサステナブル・ブランドのチームも、みなさまが参加してくださったことに感謝し、そして共通の目標達成に向けてこうしてサステナブル・ブランド国際会議を開催できる機会をいただけたことを光栄に思います。