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「日本の木をもっと使おう」楽天、国産材の利用を促進し、森林を守るプロジェクト始動

楽天はこのほど、戦後に造成されたスギやヒノキなどの人工林が利用期を迎えていることを受け、国産材の利用を促進する「WOOD CHANGE PROJECT(ウッドチェンジプロジェクト)」を始動させた。木を「植える、育てる、収穫する、上手に使う」というサイクルを回すことが、森林を守り、林業を活性化することにつながると伝える。林野庁が進める「木づかい運動」の一環。モデルの水原希子さんや音楽家の坂本龍一さんが代表を務める森林保護団体らとともに結成したチーム「ウッドチェンジ」のメンバーらによるメッセージを、「楽天市場」上の特集ページで動画やコラムなどを通して発信すると同時に、良質な国産材を原材料に使用したインテリア用品などの販促に力を入れる。(廣末智子)

植え、育て、収穫し、上手に使う

「木の日」とされる10月8日に設立されたプロジェクトのキャッチコピーは「木に変えて、変わったのは暮らしとワタシ」。特集のトップページやコンセプト動画では、若い世代や木材利用に関心の薄い層に、まずは木を暮らしに取り入れることで生活に温もりや癒しが生まれるといった効果を挙げ、「実は森林を守るためには、日本の木をもっと使っていくことが大切」と呼び掛ける。その上で、なぜそれが大切なのか、ということを「林業が活性化され、森の手入れが行き届く。そうすることで、二酸化炭素(以下、CO2)をたっぷりと吸収する健全な森林が育つ」と説明。最後に、そのためのもっとも大事なこととして「植える、育てる、収穫する、上手に使う」というサイクルの重要性を強調し、見た人が森林の果たす役割にあらためて気づかされ、自らの消費行動が回り回って森林の保全につながることが自然と頭に入ってくるような内容になっている。

水谷希子さんや坂本龍一さんも参加

活動の背景には、国土の約3分の2を占める森林面積の約4割が人工林で、このうち戦後に造成された多くが利用期を迎え、資源量は年々増加しているのに対して木材の利用は十分でない現状への危機感がある。プロジェクトの核となるチーム「ウッドチェンジ」には楽天のほか、全国でごみ拾い活動などを行う特定非営利活動法人「green bird」と「OK」、森林保全団体「more trees」、紙加工品メーカーの「大昭和紙工産業」が参加しており、8日にはOKの代表でモデル、女優として活動する水谷希子さんや、more trees代表の坂本龍一さんらによるオンライントークセッションも行われた。

セッションの中で、森林保護活動を続けて13年になるという坂本さんは、「島国の日本が豊かな森をつないできたのは素晴らしいこと。先祖たちが次の世代のことを考えてやってきた結果であり、僕らも引き継いでいかないといけない」と提言。さらに「森が、黒々と湿った日本の土壌をつくり、生物多様性が確保され、そこからいろんな恵みを受けてきた。いくらAIが発達しても、自然の資源がなかったら僕たちは生きていけない」と続け、森林を守ることの重要性をあらためて訴えた。ウッドチェンジ事業については、地球環境を守る意味でも「例えば3世代、4世代と使える家具をつくれば、CO2を缶詰のように閉じ込められる」と、サステナブルな視点の重要性を強調。消費者の側でも、木材を選ぶかプラスチックを選ぶかをはじめ、同じ木材でもどういう産地のどういう作り手のものを選ぶかといったことを意識して選択することがいかに大事かということを、「日ごろの消費活動は投票行動にもつながる」という持論に照らし合わせながら分かりやすくアピールした。

一方、水原さんは、ごみの徹底した分別などが当たり前に行われているニュージーランドなどと比べて、ようやくレジ袋の有料化が始まった日本では、「サステナブルな活動をする人は意識が高い、というように、難しく考えている人が多い」と実感していると言い、「もっと気軽に、当たり前のことをカジュアルにやっていくことが大事だと発信したい」と主張。自身はエコバッグやマイボトルを持ち歩いているほか、電気自動車を買ったり、サステナブルな活動をしているブランドの服を着用したり、また、化学繊維を洗濯するときに出るマイクロファイバーが海の汚染につながっていることを知ってからは、それが流れ出ない洗濯ネットを使い始めるなど、日常の、できることから、一歩一歩取り組んでいることなどを語った。

楽天市場の特集ページではこのトークセッションや水原さんによるプロジェクトムービーのほか、国産材に関わりの深い人たちを取り上げたコラムなどを公開。それらを入り口に、良質な国産材を使ったインテリアやキッチン用品、雑貨やDIY資材などさまざまな商品をラインアップして紹介している。またこれとは別にフリマアプリ「ラクマ」上でも、岐阜県の東白川村で森林の整備育成過程で発生した未利用木材や端材を必要とする人につなぐ期間限定ショップを12月7日まで展開するとともに、国産木材を用いたハンドメイド作品を出品するユーザーのショップや、国産木材の活用方法などを紹介している。

特集ページを企画した楽天の鈴木滉人・Strategic Plannerは、トークセッションの中で、「国産材を活用した商品を販売する方々と消費者をつなぐ支援が具体的にできるのではないかと考えた。良いものを長く使っていただくための、交流のタッチポイントとしても役に立てればと思う。ウッドチェンジという言葉が世の中で普通に使われるようになることを目標に、チームの皆さんと一緒に継続的に取り組んでいきたい」とプロジェクトへの意気込みを語っている。

廣末智子(ひろすえ・ともこ)

地方紙の記者として21年間、地域の生活に根差した取材活動を行う。2011年に退職し、フリーに。SDGsを通して、さまざまな現場の当事者の思いを発信中。