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玩具のレゴグループが使い捨てプラ包装廃止、「持続可能性」に最大4億ドル投資

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使い捨てビニールからFSC認証の紙包装へ© LEGO Group

デンマークの玩具企業レゴグループは15日、サステナビリティを加速する取り組みに対して今後3年間で最大4億ドル(約420億円)の投資を行うと発表した。いわゆる「内袋」に使用していた使い捨てビニールを段階的に廃止し、2021年からFSC認証取得済みの紙袋を試用。2025年までにすべてのパッケージを持続可能な素材に変更する。4億ドルの投資はこのほか、新たな材料の開発などに充当する考え。同社のニールス・B・クリスチャンCEOは「地球と将来の世代を保護するために、今すぐ行動を起こすことが重要」とコメントを述べている。(サステナブル・ブランド ジャパン編集局=沖本 啓一)

レゴグループはこれまで、サステナビリティを推進する取り組みをさまざまな分野で進めている。「遊びを通じた学びを世界中で毎年800万人の子どもたちに届けることを目指す」としてユニセフやSave the Childrenなどと協業しプログラムを展開するほか、40年以上前に製造されたレゴブロックを寄付する取り組み、工場におけるカーボンニュートラルの達成を目指す取り組みなどだ。

2018年に初めて採用されたサステナブルな素材の「植物」ブロック© LEGO Group

素材については2030年までに、石油由来からサステナブルな素材に転換することを宣言している。その第一歩として2018年、サトウキビからできたエタノール(バイオ由来プラスチック)製の「植物」ブロックを採用した。

関連記事=レゴ、サステナブルな玩具パーツを年内に発売へ(2018年)

今回発表した最大4億ドルの投資は、これらサステナビリティの取り組みを「加速」するために充当するとし、バイオプラスチックのブロックを拡充するだけでなく、新しい持続可能な材料の開発と、それに関連する製造機器への投資なども含まれる。

具体的な変化として、2021年から製品のいわゆる「内袋」に使用していた使い捨てビニールを順次撤廃し、FSC認証を取得した紙袋に置き換える。2025年までには外箱も含め「すべての製品、パッケージ、およびオペレーションで使い捨てプラスチックを取り除くことを含め、すべてのパッケージを100%持続可能なものに」変更することを目指し、「これには、すべてのオフィス、工場、および店舗の協力も含まれる」と目標を掲げる。

同グループのPR担当者は「使い捨てビニールから紙袋へは『試用』として置き換えをし、今後新たに、より適した持続可能な素材の梱包材に変更する可能性もある」と説明する。このパッケージの変更についてレゴグループのニールス・B・クリスチャンセンCEOは「環境について子どもたちから、使い捨てのプラスチックパッケージを廃止してほしいという手紙をたくさんもらった。すでに私たちは、代替案を模索していたが、子どもたちからの情熱とアイデアがさらに私たちを後押ししてくれた」と経緯を述べている。

「私たちは未来の世代が直面している根本的な課題を見逃すことはできない。地球と将来の世代を保護するために、今すぐに行動を起こすことが重要だ。私たちは、彼らが持続可能な未来を創造するために必要なスキルを開発する機会を得られるようにするべきだと信じている」(クリスチャンセンCEO)

子どもたちからレゴグループに寄せられた、プラスチック包装の廃止を希望する手紙© LEGO Group
沖本 啓一(おきもと・けいいち)

フリーランス記者。2017年頃から持続可能性をテーマに各所で執筆。好きな食べ物は鯖の味噌煮。