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Looopでんき、在宅時の電気代の増加をデマンドレスポンス促進により還元

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新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出の自粛要請によって、学校の休校や働き方の変化などによる在宅率の増加が、ここにきて家庭の電力使用量を押し上げている。この増加分を太陽光発電などの自然エネルギーによる発電量の多い昼の時間帯に集中して使ってもらおうと、発電事業者のLooopでんき(東京・台東区)はENECHANGE(東京・千代田区)と協業し、電気代の一部を還元するキャンペーンをスタートした。これにより発電量と使用量のバランスをとる「デマンドレスポンス」(DR)をユーザーに知ってもらい、取り組みを加速させたい意向だ。(環境ライター箕輪弥生)

自粛要請で家庭の電力消費量は5割以上増加

太陽光パネルなどの普及に伴って、自然エネルギーによる発電量は国内でも増加傾向にある。電気は発電量と使用量のバランスを常に同量に保つことができないと停電を引き起こすこともあるため、発電量が増加すると、使用量も増加させる必要がある。

毎年4月から夏場にかけては太陽光出力が大きく伸びるため、余った電気は無駄になることもある。たとえば九州電力は、2018年から自然エネルギーの出力抑制を実施しているが、2019年3月から5月は、九州本土で太陽光発電の出力抑制日数が44回、風力発電が12回と大きく増加している。

一方、家庭では政府による外出の自粛要請によって在宅率が高まり、電気の使用量が以前より倍増している。4月7日に発出された緊急事態宣言の前の後を比べてみると、東京エリアのLooopでんき契約者の1日あたりの平均電気使用量は54%増加している。

緊急事態宣言前の平日(期間A)に比べ、宣言後の平日(期間B)と比べると5割以上電気消費量が増えた(出典:ENECHANGE)

家庭でも太陽光による余剰発電を使う行動変容を

このためLooopでんきは、たくさんの電気が作られる昼の時間帯になるべく多く電気を使ってもらい、太陽光発電などの自然エネルギーを無駄なく使う「デマンドレスポンス」(DR)を促進する在宅応援キャンペーンを4月23日から5月24日までの期間、ユーザー参加型で行っている。

LooopでんきはエネルギーベンチャーのENECHANGEと協業し、2018年冬から4回、同様のキャンペーンを行っているが、電力需要の多い夏冬には朝晩の節電要請を主に行っていたのに対して、今回は太陽光の余剰電力が多い昼間の時間帯に集中して電気を使ってもらうことを促進する。

仕組みは前日の夕方までに、積極的に電気を使うと得点が得られる時間帯(在宅応援タイム)を、天候や使用予測などに基づいて参加世帯に知らせる。そして在宅応援タイム中に通常よりも多く使った電気使用量1kWhに対し、電気料金単価の40%相当を大手通販サイトのギフト券で還元するというものだ。

ENECHANGEの広報担当、中田都季子氏によると、各世帯のスマートメーターから得られたデータによって電力使用状況を分析し、それぞれの家庭毎の使用量の平均より上回った分に対してインセンティブをつけるという。

スマートメーターのデータから算出した想定使用量より増えた分を増加使用量としてインセンティブをつける(出典:ENECHANGE)

これまでも大規模な工場や施設ではDRの取り組みはあったが、家庭向けは業界初だ。中田さんは「DRを一般家庭にも広げ、発電量に合わせた行動変容を促したい」と話す。

同キャンペーンはユーザーからの反応も良く、募集した8000世帯は2日間で埋まった。Looopの広報担当、竹谷真紀子氏は「家庭での電気代を節約したいという需要家と、自然エネルギーによる電気を無駄にしたくないという供給側のニーズがマッチした」と分析する。

今後、太陽光発電による余剰発電が頻発するようになると、デマンドレスポンスの役割は需要削減(節電)だけでなく、自然エネルギーが余った際の需要の創出がより重要になると予想される。

箕輪 弥生 (みのわ・やよい)

環境ライター・ジャーナリスト、NPO法人「そらべあ基金」理事。
東京の下町生まれ、立教大学卒。広告代理店を経てマーケティングプランナーとして独立。その後、持続可能なビジネスや社会の仕組み、生態系への関心がつのり環境分野へシフト。自然エネルギーや循環型ライフスタイルなどを中心に、幅広く環境関連の記事や書籍の執筆、編集を行う。著書に「エネルギーシフトに向けて 節電・省エネの知恵123」「環境生活のススメ」(飛鳥新社)「LOHASで行こう!」(ソニーマガジンズ)ほか。自身も雨水や太陽熱、自然素材を使ったエコハウスに住む。

http://gogreen.hippy.jp/