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ブランドが社会とつながる、持続可能な未来へ  「サステナブル・ブランド ジャパン」 提携メディア:SB.com(Sustainable Life Media, Inc.)

三陽商会、100%持続可能な素材でつくるファッションブランドを展開

三陽商会が、100%持続可能な素材を使ったスペイン発のファッションブランド「ECOALF(エコアルフ)」を日本で展開する。使用するのは、海洋プラスチックなどからできた再生素材や環境負荷の低い天然素材。ブランド自らが廃棄物を回収し製造まで行う仕組みで、日本でも2021年を目途に、国内の海洋プラスチックをアップサイクルして衣服などをつくる。「社会的課題を解決することが目的のビジネスだ」とエコアルフ・ジャパンの慎正宗社長は話す。(サステナブル・ブランド ジャパン=小松遥香)

エコアルフ創業者 ゴジェネーチェ氏

エコアルフは2009年、スペイン・マドリッドで誕生した。創業者ハビエル・ゴジェネーチェ氏が、子どもが生まれたことをきっかけに、本当に持続可能なファッションブランドをつくろうと立ち上げた。現在、スペインのほかにドイツやイタリア、スイスに店舗があり、11月にはアムステルダム、12月にはパリで旗艦店がオープンする。

ビジョンは、地球環境を無視した自然資源の活用をしないこと。ミッションは、リサイクルされていない製品と同等の品質・デザインの製品をつくること。B Corp認証やエコテックス認証などのサステナビリティ認証も取得している。ブランドの思想を示すフキャッチレーズは「Because there is no planet B(第2の地球はないのだから)」。流行に左右されない、スタイリッシュで機能的なデザインが特徴で、商品の価格帯はアウターが2-3万円、シューズが1万円前後という。

来日したゴジェネーチェ氏は、「年間5000億枚のプラスチック袋が使用されているが、袋が使われる時間は30分程度。海底には65万トンの漁網が沈んでいる。プラスチックは数百年間、分解されない。30分間しか使われないプラスチック袋が、アップサイクルすることで30年間使える衣服になる」と話す。

エコアルフの衣服や雑貨に使われている素材は、主にペットボトルや廃棄処分された漁網、タイヤ、コーヒーの残りかす、廃棄コットン、廃棄ウールなど。こうした素材を100%使っており、「つくることで地球からごみが減り、売れることで地球をさらにきれいにできる」とエコアルフは説明している。これまでに2億本以上のペットボトルをリサイクルし、素材であるポリエステルから150種類以上の生地をつくってきたという。

自社に、海洋プラスチックを分別・回収し、製品をつくる仕組み「アップサイクリング・ジ・オーシャンズ」があることが強み。その役割を担うエコアルフ財団はいま、スペインの37カ所で3000人以上の漁師と連携してプラごみを回収する。さらにタイでは、政府と連携。漁師以外にもダイビング団体やビーチクリーン団体が回収する。「Because there is no planet B」の文字がデザインされた商品の売上高の10%を財団に寄付し、資金をまかなう。

エコアルフ・ジャパン 慎正宗社長

国内でも2021年までに、同様の仕組み「アップサイクリング・ジ・オーシャンズ・ジャパン」を実現する計画。今後、海洋プラを回収・分別し、それをポリマーや糸に変えるためのパートナーを探していく。慎社長は「とても野心的なチャレンジだと思うが、ブランドのコアとなる活動。実現したい」と話した。

来年の春、東京・渋谷で第1号となる旗艦店が開店する。エコアルフ・ジャパンの親会社、三陽商会は今後、2020年度に20店舗の出店計画を立てており、2025年には年間60億円の売上高を目指す。

エコアルフでは、商品だけではなく副資材や包装材・店舗資材なども100%環境負荷の低い素材を使う。さらにスペインの店舗では、年間250以上の環境課題に関するセミナーや講演会を行っており、日本でもそうした活動を実施していく予定だ。

「エコアルフ・ジャパンがこの事業で目指すことは、服を売ることを通して、新しい自然資源を使わなくても服はつくれると伝えること。自分たちが課題解決の一部になることで、社会を変え、サステナビリティというテーマ自体をけん引できるブランドになりたい」(慎社長)

小松 遥香

Sustainable Brands Japan 編集局デスク。アメリカ、スペインで紛争解決・開発学を学ぶ。「持続可能性とビジネス」をテーマに取材するなか、自らも実践しようと、2018年7月から1年間、出身地・高知の食材をつかった週末食堂「こうち食堂 日日是好日」を東京・西日暮里で開く。趣味は、大相撲観戦と美味しいものを食べること。