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ブランドが社会とつながる、持続可能な未来へ  「サステナブル・ブランド ジャパン」 提携メディア:SB.com(Sustainable Life Media, Inc.)

サステナビリティの浸透、デザインの力で:暮らしになじむLOHACO展2019

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併設ポップアップストアでは展示品を購入できる

アスクルが運営する日用品ショッピングサイト「LOHACO」。その取扱商品を展示・販売する「暮らしになじむLOHACO展2019」が19日-22日、東京・渋谷で開催されている。5回目を迎えた同展では今回、「デザインだけでは物足りない」という利用者の声に応え、新たなテーマにサステナビリティを加えた。各メーカーがLOHACOに向けて開発したオリジナルの商品を出展する。「暮らしになじむデザイン」をコンセプトに展開しているLOHACO。デザインの力で持続可能性に配慮したライフスタイルの浸透をも目指す。(サステナブル・ブランド ジャパン編集局)

商品をデザインする場合、とりわけそれが日用品だと「売り場でいかに目立つか」が重要視されるため、パッケージに商品名や効果、売り文句が大きく印刷されることが常套手段だ。一方、インターネット上のショッピングサイトは売り場を持たないため、売り場で目立つデザインよりも「暮らしになじむデザイン」を活用できる――。それがLOHACO展のコンセプトだ。メーカーと共同で打ち出すLOHACO仕様にデザインされたパッケージの日用品や食品は、多くの利用者に支持されている。

サステナビリティ考慮しても商品クオリティは諦めない

5回目となる展示会「暮らしになじむLOHACO展2019」ではデザイン性とともに「サステナブル」をテーマに加えた。きっかけは利用者へのインタビューだ。「デザインだけでは物足りない、とはっきり答えられ、大きなショックを受けました。デザインがいいだけではなく環境にもいい、環境にいいだけでなくデザインがいいという両方を兼ね備えた商品にチャレンジしようと、各メーカーの協力で商品をつくりました」こう話すのはLOHACO事業に立ち上げ時から取り組むアスクルの木村美代子COO。

サステナビリティを7区分で利用者に伝える。展示では商品に該当する番号が表示されている。1商品で複数の区分に貢献する商品も多数
容器やパッケージを中心に「脱プラ」を促進する商品。パッケージを紙に転換し、大きな反響を呼んでいるキットカット大袋(ネスレ)もラインナップされた
簡易包装や詰め替えなど、ロスを減らすことに貢献する商品
社会的弱者の保護、環境基金などを組み込んだ商品区分。子育てママを支援する託児サービス付きのメイクアップセミナー(資生堂)といったサービスも商品ラインナップにあるのは、ECならでは

「サステナブル」という言葉をまだ知らない利用者にも伝えやすくするため、「プラスチックを減らす工夫をしよう」「ごみを減らそう」「商品の原料を見直そう」「誰かのために動き出そう」など、7区分の小テーマを設定し、各商品がどういうテーマを持つのかわかりやすくした。さらに商品そのもののクオリティを上げるため、各メーカーには特に3点のお願いをしたという。

「エコだからと諦めないということで、デザインに妥協しない、機能性や使い勝手、美味しさに妥協しない、身近で買いやすい価格に妥協しないというお約束をさせていただきました」(木村COO)

スコッティ フラワーパック3倍長持ちロール(日本製紙クレシア)はサステナブルな視点に立った既存製品だが、LOHACO仕様ではクラフト紙の包装。クラフト紙は丈夫なため二次利用が可能で、植木鉢代わりにもなるという
おなじみのリセッシュ(花王)も暮らしの中に置いておきたくなるデザインに。詰め替え可能なボトルに愛着を持ってもらうことで、長く利用してもらうことができる
ビネガードリンク くろずりんご/ヨーグルトくろず(Mizkan)。従来品はペットボトルだったが、オリジナルデザインの紙パック仕様に
手前・エキストラバージンオリーブオイル(日清オイリオ)では売り上げの一部をフードバンク「セカンド・ハーベスト ジャパン」に寄付する。 奥・Olivee(カルビー)はシンプルな原料、素材と環境配慮型の包装を採用している
大容量で詰め替えを推奨するルックプラス バスタブクレンジング(ライオン)。ボトルをクジラに見立てたLOHACO限定デザインが象徴的。持続可能性を多方面で考え、子どもだけでなく、お父さんも家事シェアしたくなる魅力的なデザインを目指した
黒い塊の正体はキッチン用のスポンジ。好きな大きさ、形に切り離して使うスコッチブライト スポンジブロック(3M)は、製造過程で端材の発生を抑え、個包装ごみを減らす

「暮らしになじむ」の、その先へ――

木村美代子COOは「デザインだけでは足りない、という問題意識は私たちの中にもすでにあったのかもしれません。それを利用者の方からはっきりと聞いたことが、『暮らしになじむ』の先を目指し、メーカーさんに働きかける大きなきっかけになりました」と話す。

「継続して利用してくださっているお客様でも、取り巻く環境や意識が変わってきていると感じます。それに合わせて、やはり私たちも変わっていかなければなりません」

商品開発のハードルは上がり、メーカー各社から「難しい」という声も聞いたが、「サステナブルかつデザインや機能性、価格に妥協のない商品が揃いました」とLOHACOならではのラインナップを仕上げた。サステナビリティに取り組むことで、生活のベースにある日用品を通して利用者の価値観を生活に反映し、それを取り入れたライフスタイルへの満足感を味わってほしいという。

「エコとデザインを両立し、サステナビリティをデザインの力で浸透するだけでなく、『サステナブル』から生まれるデザインや、持続可能性を軸にした企業コラボ商品も考えられます。これは今回だけでなく、今後も継続して取り組んでいくテーマだと位置づけています」と木村COOは発展性への手応えと意気込みを話した。

アスクルの木村美代子BtoCカンパニーCOO
  • 暮らしになじむLOHACO展2019

日時:2019年10月19日(土)-10月22日(火・祝日)
   10:30~19:00(22日最終日のみ17:00終了)
場所:BA-TSU ART GALLERY
東京都渋谷区神宮前 5-11-5
後援:環境省、スウェーデン大使館、デンマーク大使館

期間限定の直営店としてポップアップストアを併設
試食・試飲コーナーあり
会場内の体験コーナーに参加するとエコポットで育てる栽培セット(サンプル)やタピオカドリンクをプレゼント(1人1点まで、なくなり次第終了)