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ビームス・ジャパン、みんな電力の「自然エネルギー」を店頭販売 

全国の名産品や伝統文化の関連製品に特化したセレクトショップ「BEAMS JAPAN(ビームスジャパン)」(東京・新宿)が、8月28日から期間限定で電気の店頭販売を始めた。セレクトした電気は、自然エネルギー中心の電力販売事業者「みんな電力」が扱う福島・千葉・長野の自然エネルギー。特産野菜や工芸品のように、気に入った地方産の電気を気軽に選んで買える時代が到来している。(いからしひろき)

「え、何これ、カッコイイ!」

販売初日に訪ねると、ビームスジャパンの一階フロアで、若い男女が興奮した声をあげながら、壁に掲示された大きな日本地図のモザイク画をスマホで撮影していた。

モザイクは一つ一つがコンセントになっていて、福島・千葉・長野を示す各コンセントからはケーブルが伸び、3本のミニチュア電柱に繋がれている。今回セレクトされた3地域の電力会社から電力が運ばれてきているということを表現しているのだ。それぞれの電源コードからスマホを充電できるというのも面白い。確かにこれはインスタ映え、ユーチューブ映えしそうだ。

実は3ヶ所(「高郷太陽光発電所」会津電力、「匝瑳飯塚Sola Share1号機」千葉エコ・エネルギー、「高遠さくら発電所」長野県企業局)の電気が直接ここに供給されているわけではないのだが、電気にも産地があることが非常に良く分かる模型だ。同店では、福島の別の発電所の自然エネルギーが使われている。

さらに各発電所の関係者の顔写真と説明文のパネル、それぞれの地域の特産品も展示販売されているので、電気も特産品の一つのように見える。

はじまりは、ビームスジャパンで展開している『ふくしまものまっぷ』プロジェクト。福島の特産品を紹介するイベントだが、そこで「電気もやれたらいいね」とディレクターの鈴木修司氏が発言したのがきっかけだ。ビームスジャパンでは2019年8月から、みんな電力を通じて福島県南相馬市の野馬土発電所の太陽光発電電力を導入している。
 
電気をモノとして店頭で売る──まさに画期的な試みだが、問題は販売方法だ。形のないものを野菜のように並べて売ることはできない。

そこで考えられたのが「でんきのカード」。店頭で1000円(税込)を支払って購入し、みんな電力と契約すると、初月度の電気料金から3000円(税込)が差し引かれる。

契約切り替えはネット経由で5分もかからず終わるという。購入者はコレクターズアイテム「発電所カード」がもらえ、さらに自然エネルギーを100%使用する「プレミアム100プラン」を契約すれば非売品のノート型ソーラーパネルが貰える特典もある。

今回の企画の責任者である、「みんな電力」の平井有太氏は、「いまやコンビニのプリペイドカードで音楽もダウンロード購入できる時代。電気も好みの地域や特典から気軽に選んで買える時代になればいいなというのが今回の目論見です」と話した。

平井さんによれば、「ちょうど切り替えたかったんですよ」と購入していった客が早くもいたそう。

「きっかけ」さえあれば、まるでTシャツを買うように簡単に持続可能な生活にシフトできるという好例。こうした導入のきっかけとなるスキームづくりが企業には求められている。

いからし ひろき

ライター・構成作家。旅・食・酒が得意分野だが、2児の父であることから育児関係にも興味あり。著書に「開運酒場」(自由国民社)がある。