「日本でいちばん大切にしたい会社」、生協が初受賞
「人を大切にする経営学会」の坂本光司会長
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今年で9回目となる「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞は、生活協同組合コープみやざき(宮崎県宮崎市)が経済産業大臣賞を受賞した。協同組合が同賞を受賞するのは初めて。「実質定年なしの無期雇用で、現在も70歳以上の社員が29名いること」や「業績ではなく、社員の雇用や高い満足度を守ることを第一とする45年間ぶれない経営姿勢」などが評価のポイントとなった。同賞以外に20社が受賞した。(辻陽一郎)
日本でいちばん大切にしたい会社大賞は、数ある他の賞と比較しても厳しい応募要件が特徴だ。「人を幸せにしていれば結果的に業績も上がる」という考えの元、過去5年以上リストラをしていないことや障害者雇用が法定雇用率以上であること、営業利益・経常利益ともに黒字であることなど6つの条件すべてをクリアする必要がある。
今年は100件の応募があり、そのうち20件が受賞した。昨年は応募104に対して受賞15社。同賞を主催する、「人を大切にする経営学会」の坂本光司会長は、「応募企業がレベルアップしている。過去に受賞を逃した企業が、指摘を受けたところを改善して再応募する事例も増えてきた」と話した。
厚生労働大臣賞を受賞したビルメンテナンスの共同(静岡県浜松市)や中小企業基盤整備機構理事長賞の武蔵境自動車教習所(東京都武蔵野市)は再応募で今回受賞に至ったという。
共同は「ES(従業員満足度)なくしてCS(顧客満足度)なし」を創業以来掲げて、人間尊重の経営を行なっている。転職的離職率は0.5%。地域には大企業が多いが、定年退職者でその後も地域で働きたいという人の受け皿になっている点などが評価を受けた。
武蔵境自動車教習所が優れた点は社員教育。教育投資を年10万円以上行う会社が教育カンパニーと呼べるというが、同社は年間30〜40万円を人づくりに投資している。
中小企業で最も優れた中小企業庁長官賞は合金メーカーの大和合金(東京・板橋)が受賞。坂本会長は「社員141人の中に、親子や夫婦、兄弟の社員が複数いる。良い会社は経営者の親族ではなく、社員の親族が多い会社だ」と述べた。
他に審査委員会特別賞として11社、営利以外を表彰する実行委員会特別賞は社会福祉法人などの5社が受賞した。
受賞企業一覧
経済産業大臣賞:
厚生労働大臣賞:
中小企業庁長官賞:
中小企業基盤整備機構理事長賞:
審査委員会特別賞:
実行委員会特別賞: