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横浜市が自然エネルギー供給で東北12市町村と連携

横浜市は連携する自治体と文化や歴史、経済面での交流も進めていく

横浜市はこのほど、東北地方の12市町村と自然エネルギー資源の活用について連携協定を結んだ。横浜市は2050年までに温室効果ガス排出量をゼロにする目標を掲げており、この実現のために自然エネを豊富に持つ東北との連携に踏み切った。東北の12市町村で発電した自然エネを横浜市の市民や事業者などに供給するスキームを構築するとともに、ネックとなる送電線網の整備などについても国などに政策提言し、「地域循環共生圏」の早期実現を目指す。(箕輪弥生)

横浜市は2050年までに脱炭素化を実現する「Zero Carbon Yokohama」を掲げ、省エネの更なる促進と化石燃料を自然エネルギーに転換することによる持続可能な大都市モデルの実現に向けた取り組みを進めている。

しかし、370万を超える人口をかかえる横浜は、年間電力消費量も約160億kWhと膨大だ。人口密度も高く、自然エネを作り出す余地も少ないため、自らの力だけでは十分な自然エネルギーによる電力を確保することは難しい。そこで自然エネの供給の余力が望める東北地域との連携を考えた。

連携する東北地方の12市町村は、青森県の横浜町、岩手県の久慈市、二戸市、葛巻町、普代村、軽米町、野田村、九戸村、洋野町、一戸町、福島県の会津若松市、郡山市であり、それぞれ個々に横浜市と連携をする。これらの連携自治体が有する自然エネのポテンシャルは、横浜市の年間電力消費量の4倍以上の約750 億kWhと推測されている。

たとえば、青森県の横浜町では一般家庭約15000世帯分に相当する32.2MWの大規模な風力発電所を今年2月から稼働しており、地域新電力を通じて余剰分を供給することが可能だ。

こういった地方の豊富な資源を生かし、自立・分散型の社会を形成しつつ、近隣地域と地域資源を補完し支え合うことで、地方も経済が循環し活性化させるというのが「地域循環共生圏」の考え方だ。

海外でも、デンマークの首都コペンハーゲンが、自然エネでの自給率700%のロラン島と「持続可能な共生のための協力協定」を結び、自然エネの供給だけでなく雇用や食料でも連携を結ぶなど、地方と都市の共生が進む。

横浜市の温暖化対策統括本部によると、横浜市には事業運営を100%再生可能エネルギーで調達する「RE100」に取り組む企業もあり、自然エネを欲しいという企業側からの要望は大きいという。

日本再生可能エネルギー総合研究所の北村和也代表は、「地域の中で自然エネを供給できないと将来的には企業が逃げていくことにもなりかねない」と話す。

北村代表はまた、「FIT(固定価格買い取り制度)でない自然エネをどう確保するか、どう送るかなどの課題はあるが、自然エネを増やしたい大都市と自然エネの余剰分を生かしたい地方の連携は今後も進んでいくのでは」と分析する。

箕輪 弥生 (みのわ・やよい)

環境ライター・ジャーナリスト、NPO法人「そらべあ基金」理事。
東京の下町生まれ、立教大学卒。広告代理店を経てマーケティングプランナーとして独立。その後、持続可能なビジネスや社会の仕組み、生態系への関心がつのり環境分野へシフト。自然エネルギーや循環型ライフスタイルなどを中心に、幅広く環境関連の記事や書籍の執筆、編集を行う。著書に「エネルギーシフトに向けて 節電・省エネの知恵123」「環境生活のススメ」(飛鳥新社)「LOHASで行こう!」(ソニーマガジンズ)ほか。自身も雨水や太陽熱、自然素材を使ったエコハウスに住む。

http://gogreen.hippy.jp/