• 公開日:2018.12.14
日立、社食にサステナブルな認証シーフードを導入
  • 辻 陽一郎

日立製作所は11日、東京・池袋事業所の社員食堂でサステナブル・シーフード(持続可能な水産物)の導入を発表した。北米で広がっている養殖魚の認証制度BAP(Best Aquaculture Practice)認証の水産物を月に一回提供する。提供を通じて、サステナブル・シーフードに対する社員の認知と理解を促進し、消費者としての購入・選択時の意識改革を図るという。今年3月にはパナソニックがMSC・ASC認証のサステナブル・シーフードを社員食堂に導入している。(辻陽一郎)

サステナブル・シーフードが広がる背景には、乱獲や環境破壊によって水産資源が枯渇していることがある。国連食糧農業機関(FAO)によると、生物学的に持続できない乱獲・枯渇状態にある魚は世界全体の約3割にのぼる。魚を食べられなくなってしまわないように、違法な乱獲による水産物ではなく、海洋環境や水産資源に配慮した漁業・養殖業由来のものを選ぶことが求められている。

日立製作所がサステナブル・シーフードの提供を始めた池袋事業所の従業員は2000人ほど。11月28日に最初のメニューを提供した。理解を促進するためにポスターや映像を流したという。同社の担当者は、「今まで知らなかったが、生活の中でサステナブル・シーフードのマークに気づくようになったという社員もいた。今後は池袋事業所だけでなく、他の拠点にも広げていく」と話した。

3月から導入しているパナソニックも、サステナブル・シーフード導入拠点を増やし、2020年には国内全ての社員食堂での導入を目指している。今後も多くの企業などでサステナブル・シーフード導入が広がっていくことが期待される。

関連記事
パナソニック、社食がサステナブル認証魚の発信地に
シェフたちが学んで広めるサステナブルシーフード

written by

辻 陽一郎 (つじ・よういちろう)

オルタナ特約記者、NPO新聞代表。フリーライターとして、NPO・NGOやボランティア、ソーシャルベンチャー、企業のCSRなどを中心に取材。

Related
この記事に関連するニュース

埼玉・飯能の“やまねの里”で生物多様性保全を考える酒造り
2025.11.04
  • スポンサー記事
  • #生物多様性
自然との新しい契約 IUCN世界自然保護会議アブダビ大会から見えた企業と自然の未来
2025.10.30
  • ワールドニュース
  • #生物多様性
実力行使で公害を止めた街があった――2025年秋、「高知パルプ生コン事件」が舞台劇に
2025.10.27
  • ニュース
  • #行動変容
  • #生物多様性
分断深まる米国でも「自然保護」への思いは共有 WWF報告書が明示
2025.10.07
  • ワールドニュース
  • #気候変動/気候危機
  • #生物多様性

News
SB JAPAN 新着記事

ダム長寿命化、事前放流、導水路整備。水の「当たり前」を守る水資源機構の思い
2025.11.17
  • ニュース
  • スポンサー記事
Sponsored by 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
  • #ファイナンス
  • #ESG投資
コーヒーに未来を託すーーネパールで出会った“自然と共に育つ”暮らし
2025.11.14
  • コラム
  • #フェアトレード
大学院不合格後、米国で考えた「サステナビリティと将来」
2025.11.13
  • SBコミュニティニュース
    建設業界は低炭素社会を築けるか? コンクリートに関する5つの最新技術
    2025.11.13
    • ワールドニュース
    • #イノベーション
    • #カーボンニュートラル/脱炭素

    Ranking
    アクセスランキング

    • TOP
    • ニュース
    • 日立、社食にサステナブルな認証シーフードを導入