• 公開日:2018.03.09
  • 最終更新日: 2025.03.02
「マイクロファイバー汚染」を家庭から防ぐ

「GUPPYFRIEND ウォッシング・バッグ」(税込3996円)

アウトドアブランドのパタゴニア日本支社は3月8日、極小プラスチック繊維である「マイクロファイバー」の流出を削減する洗濯バッグ「GUPPYFRIEND ウォッシング・バッグ」の取り扱いを開始した。直営店舗とウェブサイトで販売される。マイクロファイバーは自然分解されないため、洗濯によって発生する細かい繊維が河川や海に流出すると回収することがほとんどできず、生態系への影響が懸念されている。(ささきみどり)

近年、プラスチックごみから派生した、5mm以下のマイクロプラスチックや0.1mm以下のマイクロビーズ、8㎛(マイクロメートル)以下のマイクロファイバーが河川や海洋に流出し、見えない環境汚染として問題になっている。

アメリカでは2015年12月に「マイクロビーズ除去海域法」が成立し、2018年6月からマイクロビーズの販売が全面禁止される。イギリスでも2018年1月にマイクロビーズを含む商品の製造を禁止する法律が施行された。こうした動きは欧米やオセアニアを中心に世界に広がりつつある。

現段階ではこれら廃プラスチックの量や、生態系に及ぼす危害は詳細には分かっていないが、細かくなったプラスチック片は油に溶けやすく、表面に最大100万倍の有害物質を吸着させやすくなっている。

そうしたプラスチック片を水や海に漂うプランクトンが体内に取り込み、食物連鎖によって小魚やそれを捕食する魚や鳥などの生物の体内に有害物質が溜まっていく。それらの生物を人間が食べた場合、一部は人間の脂肪に溶け込んで体内に入ってくる危険性がある。

「GUPPYFRIEND ウォッシング・バッグ」は、バッグの中にマイクロファイバー製の衣類を入れて洗うことで、洗濯時に抜け落ちる非常に細かなマイクロファイバーを集めるとともに、柔らかな表面が繊維の抜け落ちを抑え、衣類の寿命を延ばすことができる。

パタゴニアが提案するマイクロファイバー問題解決のポイント

Related
この記事に関連するニュース

サステナブル素材はサプライチェーン拡充と開発資金の投入がカギ
2025.05.19
  • ワールドニュース
  • #サプライチェーン
  • #プラスチック
日本初「プラスチックフリー認証」――ミシュラン星レストランが取得
2025.05.13
  • ニュース
  • #プラスチック
  • #生物多様性
プラスチックリサイクルの最新研究(下)――コーネル大の斬新な機械学習モデル
2025.05.09
  • ワールドニュース
  • #テクノロジー
  • #カーボンニュートラル/脱炭素
  • #プラスチック
プラスチックリサイクルの最新研究(上)――ノースウェスタン大学のプラ分解技術
2025.05.08
  • ワールドニュース
  • #テクノロジー
  • #プラスチック

News
SB JAPAN 新着記事

ブランドを進化させる、「熱量」のあるパーパスの力とは
2025.06.02
  • ニュース
  • #パーパス
第4回 すでに始まっている気候変動とどう共に生きるか
2025.06.02
  • コラム
  • #気候変動/気候危機
食べられないコメから作った紙とは? “2度おいしい”アップサイクル文具も登場
2025.05.30
  • ニュース
  • #フードロス
  • #エシカル
社会課題解決へ クリエイティブの力で「当たり前」を再定義する――川嵜鋼平・LIFULL執行役員CCO
LIFULL
2025.05.29
  • インタビュー
  • #ブランド戦略
  • #マーケティング

Ranking
アクセスランキング

  • TOP
  • ニュース
  • 「マイクロファイバー汚染」を家庭から防ぐ