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絶滅危惧種のウナギ、小売は販売続行

ウナギの漁獲量急減が問題になる中、今冬の「土用の丑の日」である1月21日に一部の小売店がウナギを積極的に販売した。鰻のかば焼きを安売りするチェーン店にも販売を休む動きはない。消費者が資源の減少を店頭で実感しにくく、絶滅危惧種のウナギは危機的な状況にある。(瀬戸内千代)

食用ウナギは2014年から17年までに次々とIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストに記載された。ヨーロッパウナギはゴリラやオランウータンと同じ絶滅危惧1A類、ニホンウナギとアメリカウナギは次にリスクの高い1B類で、トラやトキと並ぶ。絶滅危惧種に移行しかねない準絶滅危惧種にはインドネシアなどにすむビカーラ種が記載されている。

イオンは丑の日の1月21日に、インドネシア産「うなぎ蒲焼」を1パック753円で販売した。店頭にはナマズなど代替魚もあったが、「脂がのって 身もふっくら 冬うなぎ 土用の丑」と大書きされたウナギに客が集まっていた。

牛丼チェーンの「吉野家」は、2007年に夏季限定の「鰻丼」を490円で発売した。現在は通年で「鰻重」1枚盛り750円などを、国内のほぼ全店で提供している。 夏の「土用の丑の日」前後は全販売額の2割強を占めるという。材料は、中国江蘇省周辺で採捕して広東省のいけすで育てたニホンウナギだ。

吉野家企画本部の加藤勉・広報担当は、両メニューについて「資源には限りがあり仕入れ価格も上昇傾向にあるため、将来的な販売の有無や価格については未知数だが、一定の支持もあるため、可能な限り販売していく計画だ」と述べた。

こうした安価な提供はウナギ保護の敵と見なされがちだ。しかし保全生態学者でウナギに詳しい中央大学法学部の海部健三准教授は、「ウナギの安売りを非難するよりも、適切な消費上限を設定することこそが重要」と語った。

海部准教授は自身のサイト「Kaifu Lab」で、1月22日から「2018年漁期 シラスウナギ採捕量の減少について」と題した記事の連載を始めた。今冬2回目の丑の日は2月2日である。この日は、ウナギを食べる日でなく、科学に基づいて将来世代にウナギを残す道を考える日としたい。

瀬戸内 千代 (せとうち・ちよ)

海洋ジャーナリスト。雑誌「オルタナ」編集委員、ウェブマガジン「greenz」シニアライター。1997年筑波大学生物学類卒、理科実験器具メーカーを経て、2007年に環境ライターとして独立。自治体環境局メールマガジン、行政の自然エネルギーポータルサイトの取材記事など担当。2015年、東京都市大学環境学部編著「BLUE EARTH COLLEGE ようこそ、「地球経済大学」へ。」(東急エージェンシー)の編集に協力。