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「おにぎり」で寄付活動、マーケティング賞で大賞に

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投稿された「おにぎり」にちなんだ写真

アジア・マーケティング連盟が主催する「アジア・マーケティング・エクセレンス賞」の授賞式が22日、モンゴルで行われた。アジアの6ヵ国19の参加団体から「マーケティング3.0アワード」の大賞を受賞したのはNPO法人TABLE FOR TWO(TFT)のキャンペーン「おにぎりアクション2016」。SNS上でおにぎりにちなんだ写真を投稿すると、投稿1回につき100円がアジア・アフリカの学校給食費として寄付される。NPO法人の社会的な活動がマーケティングの基準で受賞することは珍しい。(オルタナ編集部=沖本啓一)

「アジア・マーケティング・エクセレンス賞」は、アジア圏内の優れたマーケティング事例を表彰するプロジェクトで、今年で3回目の開催となる。同プロジェクト内の「マーケティング3.0アワード」では、人々のスピリットに訴えるアジアの次世代の企業・ビジネス活動を表彰している。

今回「マーケティング3.0アワードの大賞」に選ばれた「おにぎりアクション2016」は、2016年10月11日から11月31日まで行われたTFTのキャンペーン。ツイッターやインスタグラム、フェイスブックなどでハッシュタグ#OnigiriActionを付けておにぎりにちなんだ写真を投稿すると、協賛企業が100円を途上国に寄付する。2016年の取組みでは51日間で延べ36万人が参加し、85万食の給食が途上国の子供たちに届けられた。

この取り組みは今年4月、公益社団法人・日本マーケティング協会が主催する「第9回日本マーケティング大賞」において、奨励賞を獲得している。同協会の内部審査を経て「マーケティング3.0アワード」にノミネートされた。日本マーケティング協会事務局長の服部峰郎さんは「マーケティングの手法、成果が問われる同賞で、NPO法人の社会的な活動が評価されたことは稀に見る快挙」と話す。

マーケティングの世界では通常、その成果として顧客の獲得数や最終的な売り上げなどの数字を指標にする。今回受賞したプロジェクトでは、巻き込み型でファンを増やした点が評価された。「アジア全域のマーケティングという枠組みで賞を獲得したことが重要。アジアの中で、日本の社会的活動が先進的、効果的だと認識され始めている。食糧問題への意識、関心も高まった」(服部さん)

TFTのマーケティング責任者でプロジェクトの企画責任者でもある大宮千絵さんは「この企画で、社会に良いことをしたいと思っている人が大勢いると実感した。協賛企業のブランディングにも貢献できた。社会的活動に参加する企業が消費者に選ばれる時代。今後もさまざまな企業と連携し、活動したい」と話した。