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BASFジャパン、SDGsテーマに子ども実験教室開催

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慎重に、果汁をヨウ素液にいれる参加者 Photo : Haruka Komatsu


独化学メーカー大手のBASFが1997年から世界30カ国で開催する子ども実験教室には、これまでに約80万人が参加してきた。今年からは、SDGs(持続可能な開発目標)をテーマにした実験教室を実施。この一環としてBASFジャパン(東京・港)は8月1-2日、フルーツや野菜を使う化学実験を通して、持続可能な消費や健康について考えてもらう教室を東京・六本木ヒルズで開催し、2日間で120人の小学生が参加した。(オルタナ編集部=小松 遥香)

BASFの「子ども実験教室」は1997年に独・ルートヴィッヒスハーフェンの本社で、化学の魅力をより多くの子どもたちに知ってもらうことを目的に始まった。日本では2003年の開始からこれまでに約4000人の子どもたちが参加している。

子ども実験教室のテーマは全世界共通で、1年ごとに変わる。今年は、同社が事業を通してSDGsの達成に貢献すると明言していることもあり、SDGsの目標2「飢餓をゼロに」と目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標4「質の高い教育をみんなに」を取り入れたテーマ「かしこく食べる」が選ばれた。

子どもたちは、オレンジやリンゴ、キュウリ、パプリカなどを実験材料に、ヨウ素液の化学反応で生じる色の変化から、それぞれに含まれるビタミンCの量を比較する実験などを行った。狙いは、商品を選ぶ際や食べる際に、青果や加工品にどのような栄養素が含まれ、どう栽培され製造されているのかを自分で考えるようになってもらうことだ。

子どもたちは実験を終え、「学校ではできない実験ができて楽しかった」や「パプリカのビタミンCがレモンより多くて驚いた」などと感想を話した。

同社は今回初めて、ろう学校に通う子どもたちも参加できる体制を整えた。大型スクリーンやタブレット端末に、司会者の言葉が即時に表示されるシステムを導入。当日は、聴覚障がいを持つ社員も参加し、同じく障がいを持つ子どもの隣に寄り添い実験をサポートした。

8月1日に公開されたばかりの「バーチャル実験教室」

さらに8月1日には、東京以外に暮らす子どもたちが実験教室を体験できるように、オンラインを使った「バーチャル実験教室」を公開した。現在、3つの実験プログラムが日本語で公開されており、洗濯物の色移りを防止する洗剤成分はどのように作用するのかなどをゲーム感覚で学べようになっている。

ヨルグ-クリスチャン シュテック・BASFジャパン代表取締役は、こうした取り組みについて「実験教室を通して、子どもたちに研究や科学的な発見がいかに有益で楽しいことなのかを知って欲しい」と話した。

小松 遥香

オルタナ編集部。アメリカ、スペインで紛争解決・開発学を学ぶ。趣味は、大相撲観戦と美味しいものを食べること。