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CEOが「ダイバーシティ宣言」―プルデンシャル・グループ

お話を伺ったプルデンシャル生命保険 多様化推進チームの玉井史隆チームリーダーとプルデンシャル・ジブラルタエージェンシー 監査チームの横山由木子さん

日本のプルデンシャル・グループ(東京・千代田)9社のCEO・社長らが、4月24日に「ダイバーシティ宣言」を発表した。今回2回目となる宣言は、2013年から4年経ち、社内体制や社会変化に合わせた。グループ会社として共同で各社のCEOらが宣言し、それぞれが具体的な取り組み内容を決めて推進する。顧客に直接対面するビジネスモデルではマーケットに対応した「ダイバーシティ」の理解が必要であり、社員への理解を広めることが狙いだ。(松島 香織)

ダイバーシティは、親会社の米プルデンシャル・ファイナンシャルが積極的に取り組んでおり、経営戦略として、20年前から女性や退役軍人などを積極的に採用していた。それらの取り組みが評価され、米国DiversityIncが主催する「ダイバーシティへの取り組みに最も積極的な企業50社」に、2001年のランキング発表から、17年間連続で選出されている。

重要戦略としてダイバーシティを推進

米国の考えや動きを受けて、日本でも2008年からダイバーシティ活動を推進。5年間の取り組みの中で「トップダウンでないと進まない」「コミットメントしてないと現場が動けない」などの課題が見えてきたという。

それらを受けて、日本のプルデンシャル・グループは2013年10月に宣言を発表。経営陣をはじめ全てのグループ社員にとって、ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の受容)が重要戦略であり、意識的に推進していくものとした。

今回の4月の宣言では、「働き方改革」と「各社の業態や規模に応じ目標を決めて推進すること」を取り入れて強化している。期限やゴールは特に設定していない。取り組みの結果は、女性管理職比率以外の数値は出していないが、各社でKPIに落としている。

社員に理解してもらうことが第一と考え、各グループ会社から1~2人の推進担当者を選出し、四半期ごとに情報交換会を開催。重要なことは広報誌で伝えている。また年に2回勉強会を開催しているが、出席するグループ社員200人のうち半分は役員が占め、全社の意識は高いという。

社内広報誌「Power of People~Diversity & Inclusion~」

LGBT への取り組みがダイバーシティ推進を引き上げる

プルデンシャル・ジブラルタ エージェンシー 監査チームの横山由木子さんは、2014年に当時の社長から声がかかり、社長直属でダイバーシティ推進を担当している。今年は特にLGBTへの取り組みにポイントを絞った。「きっかけは、グループの保険会社3社が、2016年1月から順次同性パートナーを死亡保険金受取人に指定できる取り扱いを始めたことです」と横山さんは説明する。

「多様化の一つにLGBTがあり、大事な要素だと考えています。セミナーなどで、LGBTに取り組むとダイバーシティ全体の取り組みが進むとよく聞きますので、スポットの一つにしました」(横山さん)。多様な顧客に直接会う営業職には、特に理解してもらいたいと考え、ニュースや同業他社の動きなどをメルマガで配信しているという。

もうひとつが「高齢者」への取り組みだ。保険業として、高齢者はビジネスマーケットのひとつでもある。また同社の営業職の平均年齢は50代であり、書類を見やすくするためユニバーサルデザインにも取り組む予定だ。まず、営業ツールである会社案内のフォントをユニバーサルデザインに切り替える。

「営業職は女性が少ないので採用を増やしたいですし、1年ごとにスポットを作って振り返り、ひとつひとつステップアップしていきたい。個人的なゴールは『ダイバーシティ』という看板が無くなること、『ダイバーシティ』が当たり前になっていることです」と横山さんは力強く語った。

松島 香織 (まつしま・かおり)

株式会社オルタナ 特約記者。
企業のCSRや広報・IR部署を経て、SDGs、働き方改革(ダイバーシティ)、地方創生などをテーマに取材中。