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ブランドが社会とつながる、持続可能な未来へ  「サステナブル・ブランド ジャパン」 提携メディア:SB.com(Sustainable Life Media, Inc.)

「つながり」と「地域愛」が地域活性のキーワード

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セッションの登壇者、右から本木執行役員、小田社長、山本社長、そして、司会を務めた青木教授

サステナブル・ブランド国際会議2017で、「企業はどこまで地域を元気にできるのか」と題したセッションが行われた。登壇したのは、和菓子の老舗たねやの山本昌仁社長、石川県七尾市和倉温泉にある加賀屋の小田與之彦社長、168万人の組合員数を誇る生活協同組合コープこうべの本木時久執行役員。近江八幡、七尾、神戸と本拠を構える地域の発展を支えてきた企業経営について話した。(オルタナ編集部=池田 真隆)

たねやグループのフラッグシップ店は、「ラ コリーナ近江八幡」。甲子園球場3つ分に当たる3万8000坪の広大な敷地内には、本社、メインショップ、菜園、京都大学の分校などがある。自然に囲まれたこの地には、2016年に200万人が訪れ、観光地の一つとなっている。

創業して111年を迎える加賀屋は、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館」で36年連続1位に輝いた実績を持つ。おもてなしを追求したその接客は評価が高く、多くのメディアに取り上げられてきた。

コープこうべは168万人の組合員数を誇る、日本有数の地域生協だ。第一次世界大戦後の不況のなか、1921年に創業した。良心的な小売業として成長してきたが、高齢化が進む社会では、利益追求だけでは生き残れないと考えた。2012年からは、「社会的課題を解決するトップランナー」と掲げ、神戸の課題解決を推進している。

セッションでは、司会を務めた駒澤大学経営学部の青木茂樹教授が、「地域を活性化していくために大切なことは何か」と投げかけた。

山本社長は、「地域に生かされているということを忘れてはいけない」と強調する。三方よしでは、「世間」が最も大事とし、「この土地に住みたいと思う人を増やしていきたい」と言う。SDGsにも取り組む宣言をしている。

小田社長は、旅館という宿泊形態は日本独自であるとし、「この文化を守り続けていきたい」と語気を強めた。直近の4年間で県外から120人の新入社員を採用し定住人口を、そして、本業を通して交流人口を増やしている。

本木執行役員は、「地域活動を牽引しているNPOや社会起業家とつながり、一緒に活動を進めていきたい」と答えた。組合員を「お客さん」のままにしておくのではなく、当事者意識を啓発して、組合員が自ら活動を起こすように支援していきたいと話した。

池田 真隆 (いけだ・まさたか)

株式会社オルタナ オルタナ編集部 オルタナS編集長
1989年東京都生まれ。立教大学文学部文芸思想学科卒業。大学3年から「オルタナS」に特派員・インターンとして参画する。その後、編集長に就任し現在に至る。オルタナSの編集及び執筆、管理全般を担当。企業やNPOなどとの共同企画などを担当している。
「オルタナ」は2007年に創刊したソーシャル・イノベーション・マガジン。主な取材対象は、企業の環境・CSR/CSV活動、第一次産業、自然エネルギー、ESG(環境・社会・ガバナンス)領域、ダイバーシティ、障がい者雇用、LGBTなど。編集長は森 摂(元日本経済新聞ロサンゼルス支局長)。季刊誌を全国の書店で発売するほか、オルタナ・オンライン、オルタナS(若者とソーシャルを結ぶウェブサイト)、CSRtoday(CSR担当者向けCSRサイト)などのウェブサイトを運営。サステナブル・ブランドジャパンのコンテンツ制作を行う。このほかCSR部員塾、CSR検定を運営。