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アフリカ農村地帯に広がる「電力の量り売り」サービス

アフリカの非電化地域での電力供給に日本のデジタル情報技術が活躍している。デジタルグリッド(東京・台東)は、電力制御技術を使い、太陽光発電による電気を必要な分だけ量り売りするサービス「WASSHA」を展開している。この1年でタンザニアを中心に300カ所を超える発電所を開設した。同社ではこの仕組みを使い、将来的には遠隔医療や教育などにも応用する意向だ。

世界の中で電化が最も遅れているのがアフリカのサハラ以南の地域だ。国際エネルギー機関(IEA)によると、ケニアは16%、タンザニアは14%しか電化されていないという。この傾向は農村部で著しい。

こうした地域には必ず日用品などを売る「キオスク」と呼ばれる店がある。その店をソーラー発電で電化し、住民に電気を販売するのがデジタルグリッドのサービス「WASSHA」だ。
契約したキオスクオーナーには太陽光パネルと蓄電池、チャージャーボックス、コントローラー替わりの携帯電話が無償で貸与される。発電された電気はオーナーがあらかじめチャージし、それを村人に小売りする仕組み。ソーラーキオスクでは、LEDランタンやラジオなど充電式デバイスの貸出サービスも行われる。

決済は、携帯電話による電子マネーサービスを使う。携帯電話の保有率はこの地域で7割を超えており、決済に最も適していたという。電気代をその場で決済できることや、キオスクでの売上や顧客・発電情報がアプリを通じてサーバーに自動送信され、遠隔で管理できるのがこのサービスの特徴だ。

このユニークなサービスを可能にしているのが、東京大学の阿部力也特任教授が開発したデジタルグリッド技術である。「携帯の充電も可能な充電型LEDランタンの貸し出しが一番の人気です」。タンザニアに駐在する同社の飯沼俊文氏は村人の利用法について話す。

デジタルグリッド技術を使うと、顧客情報や市場の情報などさまざまなデータを蓄積することもでき、遠隔で管理できるため、それらを活用してさまざまなサービスやマーケティングを仕掛けられる。「例えば、無医療の地域でもデータを送ることで遠隔地から診断したり、教育コンテンツにも活用できる」と飯沼氏は説明する。同社では電力提供に加え、デジタルグリッド技術を使ったアフリカの農村地域でのマーケティングや事業の支援にもつなげていきたい意向だ。

箕輪 弥生 (みのわ・やよい)

環境ライター・ジャーナリスト、NPO法人「そらべあ基金」理事。
東京の下町生まれ、立教大学卒。広告代理店を経てマーケティングプランナーとして独立。その後、持続可能なビジネスや社会の仕組み、生態系への関心がつのり環境分野へシフト。自然エネルギーや循環型ライフスタイルなどを中心に、幅広く環境関連の記事や書籍の執筆、編集を行う。著書に「エネルギーシフトに向けて 節電・省エネの知恵123」「環境生活のススメ」(飛鳥新社)「LOHASで行こう!」(ソニーマガジンズ)ほか。自身も雨水や太陽熱、自然素材を使ったエコハウスに住む。

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