• 公開日:2026.03.16
CEコマースとは? 認知度向上と法改正で一層拡大が見込まれる循環型ビジネス
  • 茂木 澄花

サーキュラーエコノミーの認知度が高まっていることが、このほど電通の調査で分かった。2026年4月には「資源の有効な利用の促進に関する法律(資源法)」改正の施行が控えており、法規制の面でも循環型社会の実現に向けた環境が整いつつある。

こうした中で改めて注目されるのが、「サーキュラーエコノミー・コマース(CEコマース)」だ。シェアリングや中古品販売といった事業を通じ、物品の稼働率を高め、より長い期間使用できるようにする。CEコマースを促進するため、経済産業省は、産官学パートナーシップの立ち上げやガイドの発行などを通じて後押しする。 

サーキュラーエコノミーの認知度高まる 

電通は1月、「第4回サステナブルカスタマー調査」の結果を公表した。サーキュラーエコノミーに対する生活者の認知や経験、購買行動における意識を、インターネット調査で調べたものだ。 

同調査の結果、サーキュラーエコノミーの認知率は18.6%だった。これは「内容まで知っている」人と「内容は知らないが言葉だけは知っている」人の合計で、2024年10月に実施された前回調査の8.5%から10.1ポイント増となった。「内容まで知っている」人の割合は今回5.9%で、前回調査(2.0%)から3.9ポイント増えた。調査担当者は「内容理解が進み、行動変容のフェーズに入っている」と分析する。 

調査では、サーキュラーエコノミーにつながる4つの行動「買う」「使う」「分ける」「回す」を実施した経験についても調べられた。この行動の分類は、経済産業省もサーキュラーエコノミー啓発サイトなどで発信しているものだ。経済産業省のサイトでは次のように定義されている。 

買う:環境に負荷をかけない商品やサービスを選ぶこと 

使う:さまざまな工夫でものを長く使い続けようとすること 

分ける:ごみを資源として利用するためにできるだけ細かく分別すること 

回す:使い終わったものを再利用・リサイクルすること 

今回の調査では、「分ける」を実践したことがある人の割合は全体の60.6%に上り、4つの行動の中で最も高かった。以下、「使う」(46.5%)、「買う」(36.3%)、「回す」(32.1%)の順で続く。担当者は、資源の分別や回収がサーキュラーエコノミーの「入り口」として機能しているとみる。その一方で、環境負荷の少ない製品の選択肢や、不用品を再利用する取り組みは、まだまだ拡大の余地が大きそうだ。 

2026年はCEコマース飛躍の年? 

こうした中で改めて注目されるのが「CEコマース」だ。CEコマースとは、3R(リデュース・リユース・リサイクル)のうち、リデュースとリユースに事業として取り組むビジネスのこと。主要な3つの方法と対応するビジネスモデルの例は下記の通りだ。必ずどれか一つに分類されるというものではなく、複数の方法でサーキュラーエコノミーに貢献しているビジネスもある。

①物品の稼働率を高める 
例)シェアリング、レンタル 

②物品の利用期間を延ばす
例)中古品売買、フリマアプリ 

③物品の寿命を延ばす 
例)修理、メンテナンス、リメイク 

現状、CEコマースには適切な規制の枠組みがなく、消費者トラブルも多いことが問題になっている。それを受け、2025年2月に閣議決定された資源法の改正案に、CEコマースの促進策が盛り込まれた。CEコマース事業者の類型と、満たすべき基準を設定することが決まったのだ。 

資源法改正の施行日は2026年4月1日で、現在、経済産業省などが具体的な基準の検討を進めている。規制の枠組みが明確になり、消費者が安心してサービスを利用できる環境が整うことで、CEコマースは今年以降さらに拡大することが期待される。 

サーキュラーエコノミー拡大に向け産官学が連携 

この他にも経済産業省は、2023年3月に策定した「成長志向型の資源自律経済戦略」に基づき、サーキュラーエコノミーの実現に向けて取り組んでいる。その一環として立ち上げられたのが、産官学の連携を促進するためのパートナーシップ「サーキュラーパートナーズ」だ。 

サーキュラーパートナーズは、現在、企業や自治体、研究機関など計837の会員で構成され、ネットワーキングや情報共有、意見交換などを行っている。ウェブサイトで発信されている情報には、会員でなくても利用できるものがある。その一つが「CEコマースビジネス推進のためのガイド(CEコマース取り組み事例集)」だ。 

同ガイドは、CEコマースビジネスの拡大・推進を目的として、2025年5月に公表された。CEコマースビジネスへの参入を検討している事業者や、CEコマースビジネスへの理解を深めたい事業者が対象だ。CEコマースやそのビジネスモデルに対する基本的な考え方を整理するとともに、すでにCEコマースに取り組む企業の事例を33件掲載している。以下では、同ガイドで取り上げられているビジネスモデルの一つを紹介する。  

法改正で注目 物品の利用期間を延ばす「二次流通仲介」 

物品の利用期間を延ばすことでサーキュラーエコノミーに貢献する「二次流通仲介」。ユーザーが持つ使用済みの製品を売却・譲渡するための仲介サービスを提供するビジネスだ。

買い手と売り手のマッチングに加え、支払いや配送のサービスも提供する場合がある。出品者がプラットフォームに登録した物品の情報を基に購入者が購入手続きを行うと、出品者は購入者に物品を送付する。出品者には手数料を差し引いた金額が支払われ、事業者は主にその手数料から収益を得る。 

出典:サーキュラーパートナーズ ウェブサイト「CEコマースビジネス推進のためのガイド」P11より

 

個人間の取引ではメルカリなどが有名だが、事業者間の取引を仲介するサービスにも注目だ。例えば、TBMが運営する再生材調達プラットフォーム「Maar(マール)再生材調達」がある。不良品や端材といった再生原料や、プラスチックなどの再生材を売りたい企業と、それらを買いたい企業をマッチングするサービスだ。製品のライフサイクル情報を管理するデジタル製品パスポート(DPP)にも対応しており、再生材の付加価値を高めることに貢献している。売り手はより高単価での販売が可能になり、買い手は求める品質の素材を安定して調達できるようになる。 

前述した資源法改正には、再生資源の利用義務化も盛り込まれている。再生材の利用義務を課す製品が定められ、それらの製品を一定の基準以上の規模で生産する事業者に対して、再生材の利用に関する計画の提出と定期報告が義務付けられる。こうした規制の流れからも、上記のような仲介サービスの利用がますます進むことが見込まれる。 

一般消費者の意識の高まりや法規制の整備により、ますます拡大することが期待されるCEコマース。関係企業や、新たに参入や投資を検討している企業は「CEコマースビジネス推進のためのガイド」などで全体像をつかむとともに、最新の動向を引き続き注視していきたい。 

【参考ウェブサイト】 

電通 
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2026/0115-010992.html

経済産業省 
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/shigenjunkan/circular_economy/action/article04
https://www.meti.go.jp/press/2024/02/20250225001/20250225001.html

サーキュラーパートナーズ 
https://www.cps.go.jp

CEコマースビジネス推進のためのガイド(CEコマース取り組み事例集) 
https://www.cps.go.jp/sfsites/c/sfc/servlet.shepherd/document/download/069GA000019cqzQYAQ

Maar(マール)再生材調達 
https://maar-sourcing.tb-m.com/top
written by

茂木 澄花 (もぎ・すみか)

フリーランス翻訳者(英⇔日)、ライター。 ビジネスとサステナビリティ分野が専門で、ビジネス文書やウェブ記事、出版物などの翻訳やその周辺業務を手掛ける。

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