
サステナブル・ブランド ジャパンは、2026年2月に開催される「サステナブル・ブランド国際会議 2026 東京・丸の内(以下、SB’26 東京・丸の内)」において、高等専門学校(高専)の学生を対象とした特別招待プログラム「SB Technical College 2026(以下、SB TeC 2026)」を初めて開催することを決めた。SB国際会議の10周年を記念した特別企画で、セブン銀行の協賛のもと実施。全国から高専生20人が招待され、国内最大級のサステナビリティ・コミュニティの場を通じて、次世代のリーダーとしての視座を養う機会を提供する。
「技術」と「社会課題」をつなぐ新たな一手
サステナブル・ブランド(SB)は2006年に米国で誕生以来、社会的・環境的課題を「ブランド・イノベーション」や「価値創造」の原動力と捉え、ビジネスリーダーらが集うグローバル・コミュニティとして活動を続けてきた。日本国内においても、これまで高校生や大学生らを対象とした「SB次世代共創プログラム」を展開し、サステナビリティを担う人材の育成に注力してきた経緯がある。
今回、新たに高専生を対象としたプログラムを設けた背景には、産業・社会変革における技術人材の重要性が高まっていることがある。高専生は、早期から専門的な工学知識や技術を学び、「実践的な課題解決能力」を養っている独自の存在だ。SB TeC 2026は高専生にとって、自身の持つ「テクノロジー」という「武器」を、気候変動や格差是正といった具体的な「社会課題の解決」にどう結びつけるかを考える絶好の機会となるだろう。
セブン銀行が提供する「場」と学びのきっかけ
協賛企業であるセブン銀行の関わり方も、単なる資金提供にとどまらない。同社はSB TeC 2026において「場の提供者」となり、学生たちに学びと気づきのきっかけを提供する。
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学生らはプログラム2日目にセブン銀行本社を訪問。高専の先輩でもある松橋正明・代表取締役社長(釧路高専出身)による特別講演に加え、同社のエンジニアやデータサイエンティストとの対話、ATM実機の見学などを行う予定だ。技術者としてのバックグラウンドを持つ経営トップの言葉は、参加学生にとって、自身のキャリアと社会との関わりを強くイメージさせるはずだ。
テクノロジーと社会課題をつなぐ「実装者」
SB TeC 2026のテーマは「テクノロジーを起点に、社会課題の解決に挑む」。参加学生は2026年2月18日、19日の2日間、SB’26 東京・丸の内の基調講演や分科会に参加し、国内外のサステナビリティ有識者や先進企業のリーダーたちの議論に触れる。ここでは、単にセッションを聴くだけではなく、企業・自治体・NPOなど多様なステークホルダーとのネットワーキングも予定されている。
「Adapt and Accelerate(適応と加速)」をテーマに掲げるSB’26 東京・丸の内。変化の激しい時代において、技術と社会課題をつなぐ「実装者」としての高専生のポテンシャルは計り知れない。初開催となるSB TeC 2026の参加者から、どのような革新的なアイデアや未来を変えるリーダーが生まれるのか、その成果に期待が寄せられる。
募集要項と今後
SB TeC 2026の募集対象は、2026年2月時点で高等専門学校に在籍中の学生。全国から20人(1校につき2〜4人)の学生と、引率教員が招待される。参加費は無料(招待制)で、宿泊費用は一部補助がある。
募集は2025年12月19日まで。応募多数の場合は抽選により決定される。詳細な募集要項および応募フォームは、サステナブル・ブランド国際会議のウェブサイト内の特設ページで公開されている。
■ 開催概要
名称:SB Technical College 2026
開催日: 2026年2月18日、19日
場所: 東京国際フォーラム、セブン銀行本社
対象: 高専生20人(1校につき2〜4人)、引率教員
主催: 株式会社Sinc / Sustainable Brands, PBC.
協賛: 株式会社セブン銀行
詳細はこちら
眞崎 裕史 (まっさき・ひろし)
サステナブル・ブランド ジャパン編集局 デスク・記者
地方紙記者として12年間、地域の話題などを取材。フリーランスのライター・編集者を経て、2025年春からサステナブル・ブランド ジャパン編集局に所属。「誰もが生きやすい社会へ」のテーマを胸に、幅広く取材活動を行う。









