• 公開日:2018.05.31
三菱地所ホ、床構造用合板に国産FSC認証材を標準採用
  • 小松遥香

FSC認証を取得した床構造用合板

三菱地所ホームは28日、新築注文住宅の床構造用合板に山梨県産の森林管理認証「FSC認証」を取得した木材を標準採用すると発表した。全国22社あるツーバイフォー建築を行う住宅メーカーの中で標準採用は日本で初めて。同社は2015年から、FSC認証材を安定して調達するためのルート構築を進めてきた。このほど、山梨県産でFSC認証を取得した床構造用合板のカラマツについて調達のめどが立ったことから、標準化に踏み切った。(オルタナ編集部=小松 遥香)

カナダのNGO「森林管理協議会(Forest Stewardship Council)」が発行するFSC認証は、環境と地域社会に配慮した森林の管理・伐採が行われている森を認証する国際認証だ。三菱地所ホームは2011年から、持続可能で責任ある木材利用を推進するため、FSC認証材を主要構造材に採用し、同認証材の使用を拡大してきた。

同社が今回認証木材を調達する山梨県は、2003年に国内の公有林で初めてFSC認証を取得。同県は認証材を安定的に供給し、加工・流通の合理化を促進するとともに、認証材の有利性を生かした販売網を構築し、需要拡大を図るため、企画提案コンペ「やまなし提案型システム販売」を2015年に開始した。

同年、三菱地所ホームと三菱地所、三菱地所住宅加工センターや藤原造林(甲斐市)など6社は、山梨県の県有林に関する企画提案コンペ「やまなし提案型システム販売(通常製品部門)」に共同で応募し、当選。これにより、床用構造用合板を標準採用できる同県有林を安定調達できる見通しがついた。

三菱地所ホームは2018年から2020年までに、カラマツを約8000立方メートル調達できることになっている。国産FSC認証材の床構造用合板が採用されるのは、2018年4月以降の新規着工物件から。

現在、三菱地所ホームが新築注文住宅で使用する主要構造材の国産材比率は50%、FSC認証材比率は20%に達する。 同社は今後も、国産材とFSC認証材の利用を促進し、適切な森林の維持管理を行うことで、持続可能な社会を実現したい考えだ。

written by

小松 遥香(こまつ・はるか)

オルタナ編集部

アメリカ、スペインで紛争解決・開発学を学ぶ。趣味は、大相撲観戦と美味しいものを食べること。

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