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  • 公開日:2018.05.29
  • 最終更新日: 2025.03.02
富国生命、アフリカの持続可能な発展へ債券投資
  • 中島 洋樹

富国生命保険はこのほど、アフリカ開発銀行が「インテグレート・アフリカ」をテーマに世界で初めて発行する債券を全額購入したと発表した。「インテグレート・アフリカ」は、アフリカの持続可能な経済的社会的発展に資することを目指すもので、購入金額は日本円で総額49億2000万円に達する。富国生命は今回の債券投資を機に、アフリカ開発銀行との関係を強化し、長期にわたってアフリカの経済発展に寄与していきたい考え。(オルタナ編集部=中島 洋樹)

アフリカ開発銀行は、2013年4月に策定された、環境に優しい持続可能な経済成長と、アフリカ大陸の全ての人の平等・貧困撲滅・雇用創出を目指す「10カ年計画2013-2022」の実施に際し、最優先に開発を進めていく分野として「High 5s(ハイ・ファイブズ)と呼ばれる5つの分野「ライトアップ(電化)、フィード(食料増産)、インダストリアライズ(工業化)、インテグレート(地域統合)、インプルーブ・クオリティ・オブ・ライフ(人々の生活の質の向上)」を2015年9月に制定した。

この5つの分野は、SDGs(持続可能な開発目標)の達成につながる点で重要視されている。

その中の「インテグレート・アフリカ(アフリカの地域統合)」への投資は、「質の高いインフラ整備」「域内貿易や投資の増加」「国境を越えた人移動」を促進させ、アフリカの持続可能な経済的社会的発展に資することを目指すもので、今回の債券で調達された資金は、アフリカ開発銀行により本テーマに関連するプロジェクトへの融資案件に活用されるよう最大限の努力が払われるとのこと。

富国生命は今回の投資を決定した理由について、同社の経営理念の一つである「社会への貢献」に合致するアフリカの持続可能な経済的社会的発展をテーマとした債券であり、ESG関連投資であることから顧客の賛同を得られやすいこと、また、本債券の発行利率が3.21%であり、現状で国債(最高で1%程度)よりも高い利回りが期待できることから、自社のブランディング強化につながり、他社との差別化をはかることが可能だと結論づけたと説明した。

同社は、不測の事態がない限り、今後もアフリカ開発銀行との関係を強化し、引き続きアフリカの開発発展に投資していく方針だ。

written by

中島 洋樹(なかじま・ひろき)

株式会社オルタナ オルタナ編集部

2018年4月オルタナ入社。入社1ヵ月弱でCSR検定3級合格。趣味は高校野球観戦、絵画鑑賞、テニス、ビリヤード、サイクリング、ウォーキング、国内旅行など広範囲におよび、特技はカラオケ(レパートリーは50曲以上)。好奇心旺盛で、編集のオールラウンダーを目指す。 「オルタナ」は2007年に創刊したソーシャル・イノベーション・マガジン。主な取材対象は、企業の環境・CSR/CSV活動、第一次産業、自然エネルギー、ESG(環境・社会・ガバナンス)領域、ダイバーシティ、障がい者雇用、LGBTなど。編集長は森 摂(元日本経済新聞ロサンゼルス支局長)。季刊誌を全国の書店で発売するほか、オルタナ・オンライン、オルタナS(若者とソーシャルを結ぶウェブサイト)、CSRtoday(CSR担当者向けCSRサイト)などのウェブサイトを運営。サステナブル・ブランドジャパンのコンテンツ制作を行う。このほかCSR部員塾、CSR検定を運営。

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