• 公開日:2017.12.07
  • 最終更新日: 2025.03.21
進むリサイクル コンタクトレンズや鉛蓄電池も
    • 米国サステナブル・ブランド編集部

    Image credit: Linkedin

    コーヒーカップのリサイクルだけでなく、リサイクルが難しいとされているコンタクトレンズや鉛蓄電池のような製品のリサイクル率も著しく伸びてきている。(翻訳:梅原 洋陽)

    カナダ製薬大手のバリアントの子会社であるボシュロムは、ONE by ONE Recycling Programというコンタクトレンズの回収プログラムを打ち出した。開始から1年の間に100万個以上のコンタクトレンズや空ケース、そしてアルミの蓋をリサイクルしている。テラサイクルと連携し、今日までに7000ポンド以上のゴミを削減している。

    ゴミの削減だけでなく、同プログラムはOptometry Giving Sight(OGS)に1ポンドにつき1ドルの寄付を行なっている。OGSは盲目や眼の障害を防ぐための適切な視力検査や眼鏡の提供を行なっている団体である。

    「医師と患者さんのニーズに応えるためにイノベーションを起こしながら、環境の面においてサステナブルであることを重視しています。初年度から視覚治療を提供しながらもコンタクトのゴミの量を劇的に減らしたONE by ONE Recycling Programは大変価値があると感じています」とバレント社の会長兼CEOのジョセフ・C・パパ氏は語った。

    コンタクトレンズはリサイクルが可能なプラスチックや金属箔で作られているものの、サイズが小さいという理由で、多くの一般的なリサイクルセンターでリサイクルされずにいる。アメリカにおいて一年間でゴミとなったコンタクトレンズの容器を繋げると地球を3周することができる。The ONE by ONE Recycling Programはコンタクト使用者に使用済みコンタクトレンズをリサイクルし、埋められるゴミの量を減らす機会を提供している。

    このプログラムに参加するには、無料のONE by ONE の送付状を印刷し、使用済みのコンタクト容器とコンタクトをUPSかプログラムに参加している病院に持っていけば良い。

    加速する鉛蓄電池のリサイクル

    国際電池評議会(BCI:Battery Council International)と米国リサイクルの日(America Recycles Day)の共同調査によると、鉛蓄電池は99.3%のリサイクル率で、アメリカで最もリサイクルされている消費財だと言う。業界最先端のクローズド・ループ・システムによってほぼ完璧に近いリサイクル率を達成し、年間で170万トンの電池を埋めずに済んでいる。

    「私たちが目指す鉛蓄電池の生産は、鉛蓄電池を回収し、鉛蓄電池やその部品をリサイクルまたは再使用することです。クローズド・ループの産業となることで、地球への負担を大きく減らすことができます」と国際電池評議会の副社長であるマーク・トルスビー氏は言う。

    トルスビー氏によると、新たに生産された鉛蓄電池の80%はリサイクルされた鉛蓄電池を使用している。鉛やプラスチック、硫酸など、電池のあらゆる部品は新たな電池をつくる際にリサイクルか再利用が可能だ。「これにより、新たな鉛の採掘量や排気物を減らすことが可能になります」と付け加えた。

    全米のリサイクル率を調べた研究は2014年のEPA(アメリカ合衆国環境保護庁)のデータと一致している。鉛蓄電池の99%のリサイクル率は、一般的にリサイクルされるイメージの強い新聞紙(63%)やアルミ缶(55.1%)、タイヤ(40.5%)、ガラス製容器(32.5%)、そしてペットボトル(32.2%)よりもはるかにリサイクル率が高い。

    「この国には、環境に優しく安全かつ現実的な方法でエネルギーを供給する必要があります。私達のリサイクル率は産業全体でこのゴールに向けて真剣に取り組んでいるということを示すことができています。鉛蓄電池が何百万もの車やバス、飛行機や電車などの物流ネットワーク、そして命を守るバックアップシステムを動かしていることを誇りに思っています」とトルスビー氏は言う。

    鉛蓄電池は、最も利用しやすいバッテリー技術として、ハイブリッド車や電気自動車、そしてCO2排出量を削減するテクノロジーとして重要な役割を果たしている。

    鉛蓄電池の驚異的なリサイクル率を可能にしているクローズド・ループシステムは、世界経済フォーラムやマサチューセッツ工科大学から世界で最も成功しているサーキュラー・エコノミーの例だと称賛されている。特にデザイン、生産、運送、そして車のバッテリーの回収・リサイクルが高評価されている。

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