• 公開日:2017.11.13
  • 最終更新日: 2025.03.21
エアアジアがソーシャルグッズのショップで社会支援
    • クローディアー真理

    日本人、中国人、韓国人、オーストラリア人の顧客が多いという「デスティネーション:グッド」

    エアアジア(本社・マレーシア)が、ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟国のソーシャルビジネスの支援をし始めた。クアラルンプール国際空港の店舗でバッグやジュエリーなどソーシャルグッズを販売し、商品の生産者や労働者の生活改善と自立をサポートする。店の売上金は、ASEAN域内のソーシャルビジネス援助に役立てる。(クローディア―真理)

    2015年には、米国のサステナブル・ファッションブランドのアイリーン・フィッシャー創設の助成金を得たこともある「ラグズ2リッチズ」のバッグ

    ソーシャルビジネス支援の中心になっているのは、エアアジア・グループの慈善部門、エアアジア・ファウンデーションだ。クアラルンプール国際空港内の店舗、「デスティネーション:グッド」を運営。ASEAN7カ国、22のソーシャルビジネスによる150以上に上るハンドメイドのアイテムをそろえる。

    フィリピンの貧困地域在住の女性を雇用する「ラグズ2リッチズ」による、アップサイクルのバッグ、職人に収益管理や英語の訓練を施す「ハラ・デー」による、ミャンマー独特の色と装飾の雑貨、ベトナムの少数民族を採用する「ゾー・プロジェクト」による、伝統の紙「ドー」を使った文具、インドネシアの「セラカ・コタゲデ」による、昔から伝わる技法を用いた銀細工のジュエリーなどを扱う。ここでの売り上げは同ファウンデーションが管理し、助成金として同域内のソーシャルビジネスに付与するほか、メンタープログラムにも用いられている。

    同ファウンデーションのムン・チン・ヤップ業務執行取締役は「同店は、資金面やビジネス運営面に留まらず、世界市場に向けての新たなプラットフォームを提供する点においても、同域内のソーシャルビジネスを支援している。さらに店の開設・運営により、エアアジア自体もソーシャルビジネスとしての第一歩を踏み出した」と語る。

    ASEAN地域内では、ソーシャルビジネスは長い歴史を持ちながら、社会問題解決のための手段として捉えられずにきた。しかし、近年はそれに力を入れ、貧困や不平等などに対処する傾向が見られるようになってきている。

    written by

    クローディアー真理

    ニュージーランド在住ジャーナリスト。環境、ソーシャル・ビジネス/イノベーションや起業を含めたビジネス、教育、テクノロジー、ボランティア、先住民マオリ、LGBTなどが得意かつ主な執筆分野。日本では約8年間にわたり、編集者として多くの海外取材をこなす。1998年にニュージーランドに移住。以後、地元日本語誌2誌の編集・制作などの職務を経て、現在に至る。Global Press所属。

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