三菱地所が開催した森林研修
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三菱地所は、山梨県北斗市で管理が行き届いていない山林を再生し、「三菱地所グループの森」を新たに作る取り組みを始めた。国産材の利用を増やす同社は、この森によって自社グループの木材供給を増やしていく。地元NPOの「えがおつなげて」(山梨県北斗市)や林業事業者とも協働しプロジェクトを進めていく。(辻 陽一郎)
山梨県は全国有数の森林県で、県土面積の約78%を森林が占めている。だが、林業従事者の高齢化や担い手の不足という課題があり、管理が行き届いていない森林も増加している。
山梨県と三菱地所は、三菱地所ホーム、「えがおつなげて」を加えた4者で2011年に、「県内の林業の持続可能かつ健全な発展に資すること」を目的に協定を結んだ。山梨県産材の利用拡大を目指して、マンションと戸建ての下地材・構造材に国産材・山梨県材を積極的に採用するなどの活用に取り組んできた。現在国産材の割合は50%となっている。
三菱地所の広報担当は「使用している木材がどこのものなのか追跡可能なものを増やしていくという方針でグループとして活用を進めている」と話した。三菱地所グループの森として山林を再生させ展開していくことで、グループへの木材供給量を増やしていくことを目指す。
三菱地所グループの森は、山林を持つオーナーと山林を管理する林業従事者の藤原造林(甲府市)、そしてコーディネートの役割を「えがおつなげて」が担い協働管理していく。三菱地所では新入社員などの研修や都心で働く就業者が木に触れてもらえるような機会もつくっていきたいという。
written by
辻 陽一郎 (つじ・よういちろう)
オルタナ特約記者、NPO新聞代表。フリーライターとして、NPO・NGOやボランティア、ソーシャルベンチャー、企業のCSRなどを中心に取材。