• 公開日:2017.04.11
  • 最終更新日: 2025.03.21
塩野義製薬と大阪府が連携し、発達障がい児を支援
    • 環境ライター・箕輪 弥生

    「世界自閉症啓発デー」にあわせ青くライトアップされた大阪城

    塩野義製薬と大阪府は、4月2日の「世界自閉症啓発デー」と同日から始まる「発達障がい啓発週間」に合わせて4月7日に「発達障がいシンポジウム」を開催した。両者が1月に締結した「子どもの未来支援」に関する事業連携協定に沿って開いたもので、専門医師による自閉症児や多動性障害に関する講演が行われた。塩野義は、子どもの貧困対策、障害児支援など4つの福祉分野に関し、大阪府と協力して課題解決に取り組んでいく。(箕輪 弥生)

    桜が満開の4月7日、大阪府において「発たつ障がいシンポジウム 世界自閉症啓発デーin OSAKA2017」が開催された。これは塩野義製薬と大阪府の「子供の未来支援」に関する事業連携協定における最初の取り組みである。

    シンポジウムでは、信州大学医学部附属病院子供のこころ診療部 本田秀夫部長・診療教授から医療の立場から発達障害の患者の症状や支援についての講演があった。同教授によると発達障害とは「脳の神経障害のひとつであり、行動特性に何らかの特筆すべき異常がある」障害を言い、「学齢児の少なくとも1割が同障害により支援を必要としている」という。

    ここ20年余りで発達障害児が7倍に拡大しているという文部科学省の調査もあり、障害への理解や支援の必要性が拡大している。本田教授からは、周囲の適切な対応や環境づくりにより、社会に適応し活躍する患者例などの報告もあった。

    岸本千絵・塩野義製薬経営戦略本部こどもの未来支援室長は、「発達障害は早期発見、早期支援が重要であり、そのためにもまず障害への理解を深めることが必要だ」と話す。

    一方、大阪府は平成26年に「発達障がい児者支援プラン」を作成し、ライフステージに応じた、一貫して切れ目のない支援が行われるよう、重層的な支援体制を目指している。田中忠・大阪府福祉部障がい福祉室参事は、「早期発見や支援のための人材育成や保護者支援も企業と連携し強化したい」と事業連系に期待する。

    塩野義は今後、子ども食堂への支援や、夏休みの児童への「お薬教室」の開催など、子どもの貧困対策や健康支援に関する活動も大阪府と共同で取り組んでいく意向だ。

    written by

    箕輪 弥生 (みのわ・やよい)

    環境ライター・ジャーナリスト、NPO法人「そらべあ基金」理事。

    東京の下町生まれ、立教大学卒。広告代理店を経てマーケティングプランナーとして独立。その後、持続可能なビジネスや社会の仕組み、生態系への関心がつのり環境分野へシフト。自然エネルギーや循環型ライフスタイルなどを中心に、幅広く環境関連の記事や書籍の執筆、編集を行う。 著書に「地球のために今日から始めるエコシフト15」(文化出版局)「エネルギーシフトに向けて 節電・省エネの知恵123」「環境生活のススメ」(飛鳥新社)「LOHASで行こう!」(ソニーマガジンズ)ほか。自身も雨水や太陽熱、自然素材を使ったエコハウスに住む。JFEJ(日本環境ジャーナリストの会)会員。 http://gogreen.hippy.jp/

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