日本コカ・コーラは20日、国内の女性起業家の支援を促進するために「5by20女性起業家支援シンポジウム」を渋谷ヒカリエで開催した。女性活躍推進法が2015年8月に成立し、女性起業家を支援する社会の基盤が整い始めている。シンポジウムには、好きなことや能力を生かし、自分が働く場所をつくろうと考えている学生や第二新卒、主婦、フリーランス、起業家など100人以上が集まった。
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5by20は、米ザ・コカ・コーラカンパニーが取り組む女性起業家支援のグローバルイニシアティブだ。2010年以降、52カ国で86万5千人以上の女性を支援してきた実績がある。「BtoCへの強みを生かし、起業に役立つ情報発信などを行うことで政府が進める女性起業家支援の一端を担っていく」と後藤由美・日本コカ・コーラ・広報・パブリックアフェアーズ副社長は話した。
政府は、女性起業家支援を加速するために企業やNGO・NPOとの協働を推奨している。「女性の起業家支援は、社会の変革にとっても重要だ」と大川内由美子・男女共同参画局総務課政策企画調査官はシンポジウムで話した。
後藤由美・日本コカ・コーラ・広報・パブリックアフェアーズ副社長
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経済産業省の委託でパソナが運営する「わたしの起業応援net」の紹介やトーマツベンチャーサポートによるミニ起業講座なども行われた。参加者にとっては、どのようなサポートが行政や企業から受けられるか知る機会となった。
シンポジウム後に開催された交流会は、起業を考える参加者が悩みを共有したり、すでに起業している女性に相談するなど盛り上がりを見せた。
将来的に起業したいと話す25歳の女性は、「女性の起業を応援するプラットフォームができていると知り、希望を持った」と話した。近所の子どもに英語を教えているものの、子育て中で起業のタイミングがないと悩む女性は「社会の潮流や制度などを知り、起業をより現実的に考えられるようになった」と笑顔を見せた。
しかし、思いだけでは起業できない。女性の起業支援を行うマーケティング会社キャリア・マム(東京・多摩)の井筒祥子・取締役COOはこれまでの経験をふり返り、「思いがあっても知識がないと起業はできない。誰のために何のためにやるのかを明確にする必要がある」と語った。
小松 遥香(こまつ・はるか)
オルタナ編集部
アメリカ、スペインで紛争解決・開発学を学ぶ。趣味は、大相撲観戦と美味しいものを食べること。