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  • 公開日:2016.12.08
  • 最終更新日: 2025.03.21
生物多様性に優れた都市を評価、1位は埼玉県戸田市など
    • 辻 陽一郎

    戸田ヶ原自然再生エリア区域Fでの市民・企業によるサクラソウの植え付け作業(提供:戸田市みどり公園課)

    三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)は11月末、生物多様性保全の取り組みについて、全国の自治体を評価したランキングを初めて発表した。全国665の自治体を対象に、緑地の保全活用施策の実施や、保全制度の設定状況などの観点から評価した結果、埼玉県戸田市や神奈川県川崎市など4つの自治体が同率1位となった。戸田市は市民参加の自然再生事業を実施しており、評価指標「住民・企業の参加」は最高点だった。

    MURCが公表したランキングは2種類ある。一つは生物多様性への取り組み状況を評価するGM(Governance Management)関連指標のランキングだ。「緑地保全に関する制度の設定」や「動植物の調査実施」、「緑地の保全活用に関する事業実施」、「住民・企業の参加」という4つの観点から評価した。

    GM関連指標で1位となった埼玉県戸田市は、生物多様性保全へさまざまな取り組みを実施している。荒川沿いの自然環境を再生させる「戸田ヶ原自然再生事業」や、市内の生き物の生息状況を把握する「生き物マップづくり」などがあり、活動には戸田ヶ原サポーターと呼ぶ市民ボランティアや、子どもたちも参加している。

    もうひとつの指標は、生態系の状態を評価するBD(Biodiversity)関連指標。栃木県那須町や岐阜県恵那市など豊かな自然環境を持つ自治体が高い評価となった。

    全国の自治体は、生物多様性保全に取り組むための「緑の基本計画」を策定している。同ランキングでは、2015年時点で緑の基本計画を定めている665の自治体を評価の対象とした。

    MURCの島林秀行広報担当は「生物多様性の豊かさを全国的なデータに基づいて評価した。生物多様性の観点から自治体の魅力を認識するツールとして、今回の評価・ランキングが活用されることを期待している。広く一般の方にも生物多様性に関心を持ってもらいたい」と話した。

    written by

    辻 陽一郎 (つじ・よういちろう)

    オルタナ特約記者、NPO新聞代表。フリーライターとして、NPO・NGOやボランティア、ソーシャルベンチャー、企業のCSRなどを中心に取材。

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