• 公開日:2016.12.02
NTTドコモがIoTを活用したシェア駐車場サービス
    • 環境ライター・箕輪 弥生

    「スマートセンサー」を設置することで、空き地を駐車場としてシェアし、有効活用する仕組みが広がりつつある

    NTTドコモは、11月からIoT機器を活用して車の入出庫を即座に感知する、駐車場システムの試験提供を一般向けに始めた。ドライバーは、シェアリングサービス(東京・新宿)が運営する駐車場シェアのサイトを通じて駐車場の予約、決済ができる。車が停まると、地面に設置されたセンサーが自動的に感知して駐車時間を確定し決済する。NTTドコモはこのサービスを通じて、空き地の一時的な駐車場への利活用を進める意向だ。

    一般向けにサービスをスタートした「docomoスマートパーキングシステム」は、車の入出庫を感知するIoT機器「スマートパーキングセンサー」と通信モジュール、及びクラウド上の駐車場管理サーバから構成される。

    ドライバーは、駐車する直前に、駐車場シェアのサイト「トメレタ」を通じてスマートフォンを使って駐車場を検索、予約する。駐車料金はオンラインで決済可能だ。時間貸し駐車場を運営するコインパーク(東京・新宿)の所有する駐車場の一部を使って都内5カ所からサービスをスタートし、利用者の動向を見ながら拡大させていく予定だ。

    同システムは、大掛かりな工事をせずに、センサーを地面に設置するだけで駐車場として活用できるため、都心部での駐車場不足や空き地の活用にも有効だ。

    シェアリングサービスの松橋淳人代表は「このシステムを使うことで、個人宅などの空きスペースも1日単位でなく、時間単位でシェアすることができるようになる」と説明する。また利用者も、直前予約ができるため、駐車場を探すための無駄な車の走行をしないで済むというメリットがある。

    NTTドコモ イノベーション統括部、山本裕己課長は「ドライバーと駐車場のマッチング効率を高めて、限られた駐車スペースの利用効率の向上もはかりたい」と話した。「IoTとクラウドを生かすことで採算性の点で駐車場化が難しかった土地の活用が図れるのでは」と期待をこめる。

    written by

    箕輪 弥生 (みのわ・やよい)

    環境ライター・ジャーナリスト、NPO法人「そらべあ基金」理事。

    東京の下町生まれ、立教大学卒。広告代理店を経てマーケティングプランナーとして独立。その後、持続可能なビジネスや社会の仕組み、生態系への関心がつのり環境分野へシフト。自然エネルギーや循環型ライフスタイルなどを中心に、幅広く環境関連の記事や書籍の執筆、編集を行う。 著書に「地球のために今日から始めるエコシフト15」(文化出版局)「エネルギーシフトに向けて 節電・省エネの知恵123」「環境生活のススメ」(飛鳥新社)「LOHASで行こう!」(ソニーマガジンズ)ほか。自身も雨水や太陽熱、自然素材を使ったエコハウスに住む。JFEJ(日本環境ジャーナリストの会)会員。 http://gogreen.hippy.jp/

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