![]() 良好な環境で飼育される豚は健康で安心だ Image credit:Y’amal
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デンマーク政府は食肉などの食品に対し、原料となる動物が適正な飼育環境のもとに生育されたものかどうかを示す認証ラベル「Better Animal Welfare」を決定した。認証を受けるには、一定以上の十分なスペースで飼育されているか、野外で運動できるかなど厳しい飼育環境の条件が課せられ、ラベルは飼育環境に応じてハートの数で表す。同国ではこのラベルを来春から、まず豚肉やその関連商品につけ始め、順次他の肉類にも広げていく方針だ。
食肉となる動物の飼育環境認証ラベル「Better Animal Welfare」は、ハートの数で販売される食肉が適正な飼育環境で生育されたものかどうかを示し、1つから3つまで3段階で表示される。
![]() 来春から展開される「アニマルウエルフェア ラベル」
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ハート1つを獲得するためには、「一定以上の時間、野外の自由に動ける場所で飼育されている」「一定以上の十分なスペースで飼育されている」「飼育スペースにわらが敷いてある」「運搬時間が8時間以下である」などの条件をクリアしなければならない。
ラベルは、デンマークの主なスーパーマーケットや精肉店などの売り場で該当する商品につけて販売され、消費者は購入する豚肉が適正な飼育環境で育ったかどうかを判断することができるようになる。
エスベン・ルンド・ラーセン環境・食糧大臣は「認証ラベル導入により、消費者の判断基準が増え、動物の良好な飼育環境を支援することができるようになる」と説明する。また、同大臣は「消費者がこのラベルによって食肉を選ぶようになると、生産者が飼育環境の改善に対して投資しやすくなり、ラベルそのものが売り場や流通において新たな競争力をもつ要素になる」と話す。
日本においても、畜産技術協会が今年、6つの畜種別に「アニマルウエルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」の改訂版をまとめ、その普及に努めている。
箕輪 弥生 (みのわ・やよい)
環境ライター・ジャーナリスト、NPO法人「そらべあ基金」理事。
東京の下町生まれ、立教大学卒。広告代理店を経てマーケティングプランナーとして独立。その後、持続可能なビジネスや社会の仕組み、生態系への関心がつのり環境分野へシフト。自然エネルギーや循環型ライフスタイルなどを中心に、幅広く環境関連の記事や書籍の執筆、編集を行う。 著書に「地球のために今日から始めるエコシフト15」(文化出版局)「エネルギーシフトに向けて 節電・省エネの知恵123」「環境生活のススメ」(飛鳥新社)「LOHASで行こう!」(ソニーマガジンズ)ほか。自身も雨水や太陽熱、自然素材を使ったエコハウスに住む。JFEJ(日本環境ジャーナリストの会)会員。 http://gogreen.hippy.jp/