![]() キッズスペース付きサテライトオフィス全体図
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リクルートホールディングスは多様な働き方を推進するため、社員が子どもを連れて働くことが可能なキッズスペース付きサテライトオフィスを10月27日試験的に設置した。共働き世帯が増加しているなか、社員が満足して働くためには、子育てをしながらも働きやすい環境づくりが求められている。同サテライトオフィスは、子どもがそばにいながら集中して仕事ができるかどうかの有効性を確かめるため、2カ月間実証実験を行う。
時間や会社の場所に左右されない柔軟な働き方はテレワークと呼ばれ、厚生労働省も企業などへの導入を推進している。子育てをしながら働く社員にとっては、本社オフィスに出社せずに在宅やモバイルワークで業務をすることで効率的に業務を行うことが可能となる。柔軟な働き方を推進する動きの一つとして注目を集めているのが、都心にオフィスがある企業が郊外にサテライトオフィスを設置する動きだ。社員にとっては通勤時間が短くなるメリットがある上に、企業側にとってもコストや生産性の向上などの効果が期待されている。
リクルートはこれまでに、サテライトオフィスを東京近郊に35ヶ所設置してきた。今回のキッズスペース付きサテライトオフィスの試験設置は、子育て中の社員がさらに柔軟に働ける環境づくりを目指すための取り組みだ。
1歳から12歳までの子どもを連れて出社可能で、キッズスペースには保育士や幼稚園教諭など有資格者が常駐する。同社の栗崎恵実広報担当は「安心して仕事に集中することができるように、子どもの世話が必要なときは自動で保護者の電話に呼び出しが届くようになっている。ワークスペースはブースタイプなので子どもが視界に入ることはないので、呼び出しがない間は集中して働ける」と言う。
2ヶ月間の実証実験を経て、キッズスペース付きサテライトオフィスの有効性が確認できれば、設置をさらに進めていく。今後他企業にもこうした取り組みが広がっていくことで、子育て中でも働きやすい社会の実現に近づいていくだろう。
辻 陽一郎 (つじ・よういちろう)
オルタナ特約記者、NPO新聞代表。フリーライターとして、NPO・NGOやボランティア、ソーシャルベンチャー、企業のCSRなどを中心に取材。