• 公開日:2016.08.25
「化石燃料はいらない」16歳の訴えに10万人が署名
    • 米国サステナブル・ブランド編集部

    環境運動家シューテスカット・マルティネス氏。国連本部で開催された持続可能な開発における気候変動対策の会合中に聴衆の前で話している。Image credit: UN NGLS via Youtube

    16歳の環境運動家シューテスカット・マルティネス氏は、米国の次期大統領候補者に気候変動対策にすぐさま取り組むよう呼び掛けている。同氏は署名を集めるサイト「Care2 petition」でクリントン氏とトランプ氏に「2026年までに米国における化石燃料の使用を終わらせる」ことを要請している。同サイトでの呼びかけ後わずか1週間で、10万人を超える署名が集まった。(翻訳・編集:オルタナ編集部=小松遥香)

    若干16歳のマルティネス氏だが、環境運動家としての活動歴は長い。最初に気候変動問題について演説を行ったのは6歳の頃だ。現在、マルティネス氏は「アース・ガーディアン」という世界の若手活動家やアーティストが集まり気候変動対策に取り組むグループのリーダーを務めている。

    マルティネス氏は「パリ協定で決めたスピードよりも早急に対策を講じ、10年以内に化石燃料の使用を終わらせなければならない」と候補者に訴える。

    嘆願書では、「私たちの世代は、政府が気候変動に取り組むことは当然のことだと考える世代だ。この国にいまさら議論する時間など残されてはいない。200カ国近い国々がパリ協定に署名している。米国も共に気候変動問題に立ち向かうのか、それとも世界の動きに逆行するのか」と問う。

    さらに、「パリ協定の目標を達成するには、2050年までにゼロカーボンエネルギー経済へと移行する必要がある。私たち10代の望みは、次の大統領にすぐさま対策をしてもらうことだ。科学者も2026年までに化石燃料を使わない社会を実現しなければならないし、不可能なことではないと言っている。大統領になったら、最初に気候変動対策に取り組んで欲しい」と訴えた。

    嘆願書にある「10年以内に化石燃料の使用を終わらせなければならない」という科学者の発言については少し言い過ぎだろうが、あらゆる分野の専門家が協働することによって化石燃料の使用は徐々に減らしていけるだろう。

    「今回の選挙で投票権のない18歳未満の740万人の米国民の将来は、次の大統領の政策によって決まるのだ」とマルティネス氏は強調する。

    オレゴン州で若者が政府を訴訟

    米オレゴン州では現在、マルティネス氏を含む21人の若者たちが気候変動問題に関して政府に訴訟を起こしている。「気候変動問題に政府が取り組まないというのは、若い世代の人々の憲法上守られるべき生存権や自由権、財産権を侵し、将来を担うかけがえのない人的資源を守れていない」と彼らは訴えている。

    2016年4月8日、連邦地方裁判所は若者たちの訴訟に有利な判決を下した。判決は再検討されており、同年9月13日に口頭陳述が予定されている。

    「私たちの世代は熱い思いや音楽、芸術を通して世界の人々とつながり、これからの社会を率いていく世代のリーダーになる準備ができている。変化が起きるのをじっと待つような世代ではない。こうして活動することで、自分たちの未来を築いていくのだ」とマルティネス氏は有名なトーク番組のインタビューで話している。

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